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2話

 


 ダンジョン。



 それが世界に誕生して何年の時が立つだろうか。誕生した当初は世界を震撼させる存在であった。しかし今やその存在は生活の一部になるほど一般化されたものである。


 それはまさにゲームの中の世界。


 世界中の同時刻、突如として現れ世界の常識を破壊した。


 誰が?目的は?全ての疑問には未だ何の答えも見つかっていない。そしてそれは今後も答えが見つかることはないであろう。


 魔物がいる。


 宝がある。


 それがダンジョンだった。


 魔物は今まで世界に存在しなかった生き物であり、宝は世界に今まで存在しなかった物だった。


 人々は驚き、戸惑い、そして喜んだ。


 まさにゲーム。


 世界の常識を破壊する存在が突然現れたのだ。


 窮屈で、退屈な、日常に息苦しさを感じていたものたち。今に希望を見いだせないもの。現状からの脱却を願うものたち。


 そんな人々は世界の常識を破壊するダンジョンという存在に期待を、希望を見た。


 ダンジョンが今を変えてくれるかもしれない。


 ダンジョンは夢と希望を与えた。


 ダンジョンは人々の期待にたがう事のない力を秘めていた。


 世界中がダンジョンの存在に混乱し、国々がその存在をどう扱うべきか議論している間に、否、議論を始めるよりも以前。



 ダンジョンへの侵入を試みる人間がいた。



 未知の場所、そして狂暴な魔物が生息している場所。そこへ自ら足を踏み入れることを選んだ人間がいた。


 知っていた。


 ハイリスクハイリターン。


 確信していた。


 最も巨額の利益を得ることが出来るのは、一番最初に宝を手にした人間だという事を分かっていたのだ。


 その中の一部の者だけが宝を手にした。


 その結果、まさしくハイリスクハイリターンとなった。未知にはとてつもない価値があった。


 世界中の富裕層たちは未知を強烈に欲した。富を持つ一部の人間たち。使い切れないほどの金を持つ者たち。彼らは飽きていた。世界の全てを知り、そして手に入れたと思っていた。そんな彼らの前に現れた未知。


 札束が積み上げられた。


 まさに一攫千金。人生を変えることが出来るほどの金。ハイリターンを得ることが出来た。何も持っていなかった両手に抱えきれないほどの札束が現れたのだ。


 だがしかしだ。リスクとは、死。


 その死亡率は恐ろしく高かった。なにせ情報が全くない状態で侵入を試みたのだ。無知であることの代償は恐ろしく高いものだった。


 ダンジョンに関する情報がある現在、出現当初より比率は下がったと言えども安全とはとても言えない。ダンジョンに挑み命を失った人間の数、それはダンジョン誕生以来増え続ける一方。その数は大規模な戦争をも凌ぐと言われている。


 つまり、自分の行為は死と隣り合わせであると知っているのだ。知っていつつも人間はダンジョンへと挑む。何かを変えるために挑む。


 しかも、それだけで金を稼ぎ、生きていこうと考えるものたちが現れだした。ダンジョン探査を職業にしようと考えたのだ。


 ハンター。


 彼らはハンターと呼ばれた。


 実際、ハンターは世界中に存在する。そして世界有数の力を持ったハンターは、普通の会社員では考えられないほどの収入を稼ぎ出している。それは宝を売ることで得る収入もある。


 だが、宝以外にも売れるものがあった。


 魔物の肉。


 魔物の肉を食そうと考える人間が現れた。


 ダンジョンが現れた当初こそ魔物の肉は人々から敬遠される存在であった。食そうなどと考えるのは極一部の変人だけであった。


 未知の生物。今まで地球上に存在しなかった生物。しかも人間を殺そうと襲い掛かってくる生物。魔物。


 その魔物の肉。


 そんなものを好んで食そうとするはずが無い。魔物の死体を食べるはずが無い。そのはずだ。気味が悪い。恐ろしい。そんなものを食べるなんてありえない。普通に考えればそうだ。


 時が変えた。


 時代と共に人々の意識は徐々に変化していった。全ての種類の魔物ではないにしろ、科学的に人体に悪影響が無いことが証明されていったことも追い風となった。。


 嫌悪感は時と共に薄れていった。人々の意識は変化したのだ。


 今現在、魔物の肉は食用として一般人からも非常に人気があり、高値で取引されるまでになってきている。欲しくとも手に入らない。人間の意識はそこまで変わってしまった。


 そう。


 女の視線の先。


 二人の男たちの背後。



 そこにはダンジョンがあった。



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