12話
名前 町田 公太
年齢 31歳
性別 男性
ランク B
ハンター協会に登録されている町田の情報はこれだけだった。驚いたのは31歳だったという事だ。絶対に40代以上だと思っていた。
だがネット上には町田に関する沢山の情報があった。
毎日魔物の肉を食べている、魔物の血を飲んでいる、女性のハンターに対する性犯罪を犯して捕まった、オネエである、日本で最強クラスのハンターである、魔物とのハーフである、Aランクハンターと決闘をして相手をボコボコにした、風俗に入り浸っている、メキシコ人、元AV男優、塩むすびが好き、柿の種のピーナッツは全部捨てる、などなど真偽不明の情報が沢山あった。
ここにどれだけの真実が含まれているのかは謎。しかし裏を返せばこれは町田というハンターが業界内ではよく名の知れた人物だという事だ。ネット上に名前がこれだけ多く上がっているハンターはそう多くは無い。大半が名もなきハンターなのである。
まだハンターを始めて3週間しかたっていない小倉さんが知らないのは無理もない事だ。しかし、自分が事情に通じた一人前のハンターだと思い違いしていたという、明らかな証拠のようで恥ずかしい。
そして最も多くネットに書き込まれていた話は、
木野下 苺と元々コンビを組んでいたという話。
その一文は小倉さんにとって衝撃的だった。
なぜなら苺は小倉さんにとって憧れの存在。
苺はまだ24歳と若いが、ハンターランクは日本女性最高のAである。卓越した動体視力と運動神経で、強力なモンスターをなぎ倒すその姿は男女ともにファンが多く、日本を代表するハンターの一人である。
現在の苺は町田とのコンビを解消して、日本最強と言われるパーティー「プラチナ・パイロット・パンデミック」通称PPPの一軍メンバーとして活動している。
小倉さんが知っている苺の姿は、PPPの苺だけだ。
PPPの活動はダンジョン探査だけではなく、その時の様子を動画投稿サイトにアップすることもしている。その再生回数は百万回越えが当たり前で、最近では雑誌やテレビにまで出演するほどの人気となっている。
そのパーティーの一軍として苺は活動している。
動画投稿サイトの映像を見て小倉さんは憧れ、ハンターを志し、そして自分にもできるはずだと思ってしまった。
木野下 苺というハンターはそれほどに今、影響力のある人物だ。そんな日本を代表するハンターとあの町田が、あのスケベ親父にしか見えない町田がコンビだった?
苺本人は、そのことを積極的には公言していないはずだ。雑誌のインタビューで町田の事を語ってはいるのを見た事が無かった。
町田と苺がコンビを解消した理由。
それはネット上の町田に関する噂「女性のハンターに対する性犯罪を犯して捕まった」と関係があるのだろうか?そしてなぜ二人はコンビを組むことになったのだろう?
普通の女性ならば積極的に町田に近づこうとはしないはずだ。
町田がハンターランクB。そして苺がハンターランクA。
ということはあの戦士のような体格をした町田より、苺のほうが強い、ということなのだろうか。そんなことがあり得るのか?
苺はファッション誌にも登場するほどスレンダーな体型だ。それなのに町田より強いという事があり得るのだろうか。
そして小倉さんの背筋を震わせた情報。
それは、苺を鍛え上げたのは町田 公太
という文字。
衝撃的だった。




