表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/7

委員長

 先日、衝撃の告白があった。

僕が女の子に告白されたのだ。

僕は生まれてこの方女の子に告白されたことがない。

初めての経験だった。


 その後の展開も衝撃的だったけど。

それも含め僕にとって貴重な経験だった。


 女の子になってからの経験もなかなか刺激的だ。

とりあえず今は元男だと言うことを悟られぬように日々努力している最中だ。


 ところで僕にとって気になる女性がいる。

1人は先日告白してきた女生徒だ。

そしてもう1人気になるクラスメートがいる。


 それは委員長だ。

なぜか僕によく話しかけてくる。

僕自身は女の子と会話するのがまだ慣れていない。

大体、女の子とどういった会話すればいいのか分からない。

僕に話かけてくる女の子は先日告白された渡船わたふね 可澄かすみさんと委員長だけ。

渡船さんは僕と同類で僕がどんな事情を持っているか知っている。

しかし、委員長は僕たちの事情は知らない。

どういった趣旨で話しかけてくるのかは謎だ。


 僕はクラスの中で浮いている方だと思う。

それを見かねて委員長は話変えてくれるのかも。

さっき言った2人以外は全く話したこともない。

両親もその事を悩んでいるように見えた。


 ちなみに両親も僕と同じ女子校に通っている。

見た目も普通な女子高生だ。

僕よりもクラスに馴染んでいるみたいだ。


 僕たちの種族は一定の年齢になると見た目が固定されるみたいで両親ははっきり言って女子高生にしか見えない。

僕よりも何倍も生きているのに。


 僕たち家族は女子寮の一室で暮らしている。

一応、学校の配慮みたいだ。

だから、寮暮らしといえども実家暮らしと変わらない。


 朝はいつも母親に起こしてもらう。

女子高生にしか見えない母親に。

その後着替えなのだがまだ女子の制服になれていない僕は母親に手伝ってもらっています。

それを見た父親(女)は

「ぷぷっ。

高校生にもなって母親に着替えを手伝ってもらうなんて一体いくつよ」

「しょうがないだろう。

女子の服は色々と面倒いんだから。

大体、女子の下着なんて今まで着けてきたことがないんだから」


 大体、父親が本当は女性だったこと自体が衝撃的だったのにそのうえ親子同伴で女子校に入学なんてはっきり言って悪夢でしかない。


 父親(女)はと言うと見た目は女子高生ながら新聞に目を通しコーヒーを飲んで寛いでいた。

こっちの手伝いはする気は無いらしい。

父親は生別が変われども今までとは変わらず。

しかし、その姿は違和感でしかない。


 朝食は母親が作ったものを食べている。

だから、父親母親の姿が変われども実家暮らしとほぼ変わらない。


 学校に来ると同じクラスながら両親との接点がない。

両親曰く女子としての自覚を持って自分1人の力で友達を作りなさいと言うこと。

だから、クラスでは両親と話したこともない。

それにしても両親はすぐにクラスに溶け込んでいる。

いっぱい友達もいるようだ。

対して僕は未だに友達は出来ず。

女子という生き物に苦戦している。


 そこで僕に話しかけてくるのが委員長だ。

なぜか僕を気にかけてくれる。


 ここで委員長のことを少し話したい。

委員長はクラスの誰にでも好かれるめちゃくちゃいい人。

正直、クラスの中で委員長のことを悪い風に言う人はいない。

見た目は三つ編みツインテのメガネっ娘。

しかし、メガネを外して髪の毛をほどくとなかなかの美少女。

普段はそれを隠しているかのように感じる。


 そしてここがポイントなのだがかなりのドジっ娘。

先生に頼まれたことは完遂をしたことがない。

では何でこんな人が委員長なのかというと理由がある。

彼女は愛されキャラだ。

彼女が困っているとクラスの誰でも手を差し伸べる。

そうこうしているとクラスのみんなが彼女を目の届きやすい位置にとどめたいと思うようになった。

それが委員長というポジションだった。

クラスのみんなが面倒を見るために彼女を委員長というポジションにおいたのだ。

なんだか本末転倒のようだけど。

だから委員長の仕事はクラスのみんなで分担してやる。

委員長自身はクラスのマスコット的存在だと思う。


 話を戻すと今日も普通に学校が終わった。

いつものように寮に戻って寛いでいた。

しばらくするとドアを叩く音が。

ドアを開けると仮面をかぶった女子高生が立っていた。

「お初にお目にかかります。

事情があり正体を明かすことが出来ません。

本当はもっと早く自己紹介が出来ればよかったのですが。

色々と立て込んでしまって今日になってしまいました。

私はあなたたち家族の事情を知っています。

と言うかあなたたち種族の事情を。

私の役割はこの学校でつつがなくあなたが女子高生として生活出来るようにサポートすることです。

この役割は学園長から秘密裏に承ったものです。

ちなみに私はあなたたち種族とは違い地球人です」


 僕は色々と戸惑ったがふと彼女の肘と膝を見てみた。

絆創膏がそこかしこに貼ってあった。

僕は

「ていうか、委員長だよね。

声の感じでも分かるし。

それに委員長はいつも転んでばかりで生傷が絶えない。

いつも一生懸命な委員長だよね」

「な、な、何を言っているんですか。

委員長って言葉聞いたことないんですけど」


 ごまかし方が下手なのも委員長の特徴だ。


 とりあえず僕は知らないフリをした。

委員長は

「あなた方種族の特殊性は理解しています。

あなたが元男性だったことも。

でも話しかけてみて思ったんですけど普通に女子と変わらないじゃないですか」

僕と会話しているのは渡船さんと委員長だけなのだが。

「渡船さんともいい感じで話しているみたいだし」

はい、委員長確定。

「とにかく私はあなたを立派な女子高生にするよう学園長からお願いされたので一生懸命頑張ります。

もちろん、身バレしないようにも。

それにあなたのご両親は私が何もしなくても溶け込んでいらっしゃるようなので私は何もしません。

あなた専属の召使いだと思って下さい」


 僕は

「じゃぁ、仮面の人。

これからもよろしくお願いします」

と言ったら委員長がそそくさと帰っていった。

 

 ちなみに僕たち種族を世話する人には条件があると両親は言っていた。

第一に僕たちに偏見を持たないこと。

やっぱり元男だと嫌がる人もいるそう。

第二に成績が優秀であること。

実は委員長、ドジっ娘なのだが成績はトップクラス。

かなり頭がいい。

特に暗記科目は完璧。

文系、理系問わず成績は優秀です。

それどころか音楽、美術と言った芸術科目も天才的な才能です。

家庭科も優秀で裁縫、料理はプロ級。

しかし、それを感じさせないぐらいのドジっ娘、そしてかなりの運動音痴。

だから試験期間になると勘違いしたクラスメートが委員長に勉強を教えに行き撃沈するのをよく見ます。

委員長は勉強だけは出来るのです。

そしてかなり人がいい、愛され守られキャラです。

委員長が生傷が絶えないのはいじめれている訳ではなくただのドジっ娘のせいです。

クラスメートからはかなり可愛がられています。

もちろんいい意味で。


 とにかくこれからの女子高生生活、色々と大変そうです。



 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=148259626&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ