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入学式

 いきなり僕が女の子になって1ヶ月。

いろんな事があった。


 僕が女の子になって初めてやったこと。

それは女の子としての生活をすることだった。


 服装や下着に至るまで女物を着けなければならない。

それははっきり言って恥ずかしくてなんとも言えない。


 所作や仕草まで女っぽくしなければならない。

正直、両親はスパルタで僕に仕込むのだ。

それがとてもきつかった。


 そうそう、父親が女性だったことはとてもショッキングな出来事だった。

それに元の姿に戻った父(女)はとても生き生きしていた。

これで息子(女)にも本性が出せると本当に喜んでいた。

それにしても(女)って何だろうか。

深い意味はないが。


 そして入学式当日、僕たちは入学式に挑んだ。

由緒あるお嬢様学校だ。


 その日の朝、父親(女)は

「良い、ボロを出さないでね。

やるべき事は全てこの1ヶ月の間に仕込んだから。

変なことを言わない限りあなたは立派な女性なんだから自信を持って行きなさい。

今度行く学校は私たちの事情を分かってくれている学校だから安心して登校しなさい。

分かった?」

と僕に発破を掛けてきた。

母親は

「今度行く学校は全寮制だから他のお友達とも仲良くしてね。

言っておくけど今までは女の子は異性だったけど今度は同性だからね。

あなたは女の子とつきあったことはないけれど同性として友達になりなさいね」

母さんは余計なことを言う。

とにかく僕はその女子校に向かった。


 と言っても両親も一緒だ。

というのは僕はその学校の場所を知らない。

両親が勝手に手続きをして特例的な措置として無試験で入学することになったからだ。

もちろん条件がある。

それは常に好成績でいること。

これは1回高校生生活をしているから多分問題がない。

そしてもう1つは品行方正で常に他の女生徒の手本となること。

元男である僕にはかなり難しい問題だ。

そのためにも「女性文化研究会」というよく分からないクラブに入部することを確約させられた。

もちろんそのクラブの活動内容はよく分からない。

そこで女性としての生活を学ぶようにとも言われたが正直かなり怪しいクラブだと思う。

週に一回で良いから顔を出すようにとも言われた。


 入学式は体育館で行われた。

当たり前だが周りが女子ばっかりだ。

しかもかなりの美少女率。

僕がここにいるのが場違いにも思えた。


 そして新しいクラスに入った。

正直そこも周りが女の子だらけだ。

当たり前なのだが。

なぜならここは女子校だから。


 そこに担任の先生が入ってきてそれぞれの自己紹介が始まった。

その時に気がついたのだ。

僕の後ろに父さん(女)や母さんが座っているのを。

僕は何しれっと座っているのだろうかと思っていた。

確かに僕の両親は女子高生にしか見えないが。


 僕の自己紹介が終わるとしれっと両親が自分たちの自己紹介をした。

その時に僕の両親も同じクラスだと初めて気づいた。

正直、両親と同じクラスなのはとても恥ずかしい。

ていうか、両親と一緒に3年間も過ごすのかと思うと憂鬱でもあった。


 一通り自己紹介が終わり次に寮の紹介が始まった。

もちろん、他の生徒たちは既に入っているのだが。

僕は担任に部屋の鍵を渡された。

そしてその部屋で3年間過ごすことを告げられた。

もちろん女子寮にだ。

僕が入って良いものかと今は不安でいっぱいです。

それから寮の規則やらを先生は説明をして今日の授業は終わった。


 明日からは早速授業の開始。

しかも進学校らしく毎日8時間の授業があるらしい。

勉強漬けの3年間になりそう。


 授業が終わり女子に話しかけられないように僕はそそくさと教室を後にした。

それにしてもどういうつもりで同じ学校に入ったのだろうか。

ていうかそのこと自体事前に話して欲しかったとも思った。


 そして僕が寮の部屋の扉を開けた時、唖然とした。

その部屋に両親がいたからだ。

母親は

「あら、遅かったわね。

今日から3年間、詩温しおん君と私たちは一緒の部屋だからよろしくね」

とにこやかに挨拶してきた。

父親(女)は

「言っておくけど肉親関係だと言うことは秘密だからね。

でないとややこしいことになるから。

私たちは同い年の15歳。

ここの寮で初めて出会った。

いい、分かった!!」

僕はそう両親に言いくるめられた。


 そして少し落ち着いた時父親(女)は

「どう、女の子生活は慣れた。

無理に女言葉を使わなくていいからね。

(慣れてなくて)気持ち悪いから。

女の子としての訓練はしたけどこれからは自分を出しなさい。

自然なままが一番いいんだから」

と僕に言ってきた。

僕は

「じゃぁ、正直に言っていい?

正直、このスカートって奴には慣れないわ。

なんか落ち着かなくって。

スースーするし。

これからこれを履いて行かなければならないと思う時が滅入るよ」

母親は

「それは慣れなさい。

私たちはそう生きていくしかないのだから。

18年間我慢するの。

この学校で3年間。

卒業したら他の学校で3年間、それを6回繰り返すの。

合計18年間ね。

時期に慣れるわ。

最初のうちは違和感だらけだろうけど。」


 とにかく僕はこれからこの女子校でやっていかなければなりません。

それにしてもかなり長い期間、女子として生活していかなければならない。

正直、これからが不安でいっぱいです。

しかも3年間は親付き。

本当どうなることやら。

とりあえずまずは友達作りから。

それが両親からの課題です。

女子の友達とはどういうものか期待と不安でいっぱいです。




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