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第六十九話 情報はタダじゃない

「ハルピュイアまでの生き方を教えてくれませんか?」


「やめておいた方がいい。お前さんが向かったところで出来る事はない無駄に身を危険に晒すだけだ大人しくしてな」


「危険だとしても行かなきゃいけないんです」


オヤジの忠告も聞き入れずそう答えると呆れた表情をされてしまった。


「若造の無茶は珍しい事じゃないがこれは単なる怪我じゃ済まないぞ、下手をすれば死ぬかもしれん。無駄に命を散らすのはあまりに愚かすぎる行いだと思うがな」


普通はそういう意見になるだろう。

自分から戦地へ赴くようなもの、普通ならそんな行為はするべきじゃないが幸いにも俺は普通じゃない。


「大丈夫です。俺は死にませんから」


自信過剰な馬鹿者と思われたか?

まあ仕方ない、死なない身体ですなんて言っても信じてもらえるはずがないし。


「どうしてもと言うならこれ以上余計な事は言わん、馬鹿な若造が一人勝手に死ぬだけの事わしには関係ない好きにすればええ」


思った通りの評価を受けたようだ。


「じゃあ教えて貰えますか?」


「構わんがその前にお前さんその街に行った事は?」


「ありますけど、何か?」


「いくら田舎の出とはいえ転移魔法陣くらいは知っているだろう?」


そういえばティオがそんな物を持っていたっけ・・・って、初めからそれ探せばよかったんじゃん!


「知ってます! この店にもしかして置いてあるんですか? いくらです? 絶対稼いで払うのでその時まで置いといて貰えませんか!?」


「はやるな馬鹿たれ、うちには置いとらん。あの手の魔法道具も魔族の管理下にあって簡単には手に入らんのだ」


すぐに戻れる方法が見つかったと喜ばしかったが早とちりだったようだ。

期待した分がっくりと頭も垂れる。


「だがな、手に入らなければ作ればいいだけの事」


まさかこのオヤ・・いや店主様ひょっとして。


「作れるんですか?」


「いや、作れん」


このオヤジ、無駄に期待させやがる。


「だがな! 作れる人間はいる」


あーはいはい、「何処に?」って聞いたら「どっかに」って答えるんですね分かります。


「・・・そうですか? ちなみに何処にいるかは知ってるんですか?」


一応聞いてみるが期待はしていない。


「ああ」


「へー・・・えっ!? 知ってるんですか?」


意外そうな顔をしたからか親父は少しムッとして「当たり前だ、でなきゃこんな話はせん!」とのこと。

若干言いたいこともあるがそんな事よりも場所だ。


「何処です? 教えて下さい!」


「教えてやってもいいが一つ条件がある」


「金ですか?」


オヤジは首を横に振る、そして神妙な面持ちで条件を語り始める。


「わしの娘の安否を確認してきてほしいのだ」


それがオヤジの条件らしい。




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