第二十七話 お屋敷探索 Part6 終着点
その後俺たちはオルテガの案内で屋敷を進んだ。
石像を動かして隠された扉を開き、俺が後で売ってお金にしようと懐に入れていた宝石をちっこい箱に埋め込んで鍵を入手したりとにかくまぁー面倒な事!
こんなの攻略本なかったら間違いなく詰むやつだわ!
と叫びたくなるほどに仕掛けが鬱陶しかった。
それに罠だ。
上から衣服だけを溶かす神様のようなスライムが降ってきたり踏んだ瞬間着ているものを木っ端微塵にする術式が仕掛けられたりととにかくけしからん罠ばかりでここを作った奴は本物の変態だよ。
しかしなんて事だろう、オルテガの奴懇切丁寧に罠を知らせやがる!
男の夢がことごとく目の前で潰されていくのを俺はただ黙って見ているしか出来なかった。
仕方ないじゃん! ここでまた変な事したら次こそ本当に何をされるか・・・。
見るだけのために命は賭けられないんだ!
俺は女性に触れるために人生かける馬鹿な痴漢野郎とは違うんだ。
もっとノーリスクでより素晴らしい何かを得るのが賢い男のやり方。
それはつまり、純粋に愛し合う二人の恋心を契機にしてお互い同意の上というのが理想だろうが!
でもまあラッキースケベは例外、しょうがないよね!
だから狙うはあくまで偶然だ、偶然ならば許される・・・・・はず!
だからお願いします、うっかり罠よ作動しろー!
その時、奇跡が舞い降りた。
眩い光が足元に広がった。
足元に目を落とすとなんとも不気味な魔法陣らしきものが浮かび上がっていた。
あまりの輝きに自然と目は塞がれて次に開いた時俺の視界に真っ先に入ってきたのは・・・・・・床に無残に広がった衣類のようなものと必死に体を隠そうとしてうずくまるオルテガの姿。
「いや〜ん、うっかりしちゃった〜!」
野太い声が反響する。
四方八方から聞こえてくるかのように錯覚するそれはまるで蛇のように耳の中から侵入してきて蠢いている。
視界から入ってくる光景は雷となり眼球を走り脳を焼く。
要するに何が言いたいかっていうと━━━━━━━とにかく気持ち悪いぃぃぃ↓
オメェじゃねぇよ!
そんな心の叫びを声にすることはない。
ただただ虚しさだけを内に秘め目の前の全裸になっておぞましさを増したモンスターに言うべき事を言う。
「とりあえず服着よっか」
あるのか知らないけど。
「俺はここまでのようです、この先はマスター達だけで行ってください。大丈夫、もう罠はありませんから。この先の階段を下って目の前にある扉、そこに求めるものはあります」
俺はゴクリと生唾を飲む。
この先にお宝が!?
一体どんな高価なものが?
「いよいよですね」
「うむ、やっとじゃな。これだけ苦労させられたんじゃ、きっと凄いものがあるに決まっておるわ」
苦労したのは主に俺だがな。
そこは言わないのが男って奴だろ。
「開けるぞ」
重厚な鉄の扉に手をかけてゆっくりと開く。
ぎぃぎぃと鳴る音は長い年月ここが開けられてなかったことを表しているかのようで俺たちの期待は一層高まる。
そこで待ち受けていたものはなんと!?