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第百十九話 突入③

それからしばらく作戦会議、完全に気付かれているであろう形で敵地へと降り立ってしまい行動に慎重さが求められる。

恐らく俺達を探して敵があちこち彷徨いているはず、警戒されている中進んで行く難しさはよく知っている。

一瞬で敵を気絶させてしまえる格闘術を持つ伝説の傭兵ですら苦戦するであろう状況、ただの素人には見つからずに進むなど不可能に近い。

とにかく二人で知恵を出し合って打開策を模索した結果、そう時間をかけることなく俺達の意見は一つにまとまった。

その作戦は、見つからない事を信じて突き進む・・だ。



建物に隠れ、ほふく前進で草の中を突き進み、ダンボール・・は無いので転がっていた木箱を被りながらも着実に進んで行くのだが変だ。

俺達を探しているのか慌ただしい声が聞こえては来ているがその声はだんだんと遠ざかっている。

落ちるところを見られていたならそれほどに的外れな場所を探すとは考えづらい、つまり居場所までは見つかってはいないのだろう。遠くから響いて来る叫び声に足音、どちらも俺たちとは別の方に向いている様な気がする。

助かったと喜びつつ持って来た小さな鞄に手を伸ばす、中にはもしもの時に役立ちそうなアイテムを詰め込んでいる。

転移魔法陣、煙幕的なもの、水、食料そして地図だ。

何分でかい街だ、姫様達が居るであろう王城までの道のりも複雑。幾つかの転移門を経由して進む必要があり都会の路線図の様に難解で田舎者の俺ではたどり着けない迷宮と化している。

地図があっても頭を悩ますこと必至、だがしかし俺の地図はそんじゃそこらの地図とは違う。

陛下に頂いたこの地図にはなんと王城までの道のりが手書きで事細かく描かれている、何か目印になるものでも見つけて現在地さえ分かればあとは問題ない。

端っこの方の落ちて来たのは分かったがそれ以外はさっぱり、辺りを見回し地図を見つめるも何処がどこだか全く分からん。

リアに聞いても「さぁ?」の一言なので周囲に目を凝らし進む。


叫び声が聞こえるたびに身を隠し音が消え去るのを待って移動を再開、走行するうちに見つけた。地図にも載る目印となる建物を。

魔法道具資料館、以前ティオとリアの三人で来た場所。変な道具がたくさん置かれたその場所は荒れ果て人の気配もない、あの人の良さそうな館長の姿も見当たらない。

胸が締め付けられる思い、だがようやく見つけた目印、下を向いている訳にもいかずこの場所から王城までのルートを確認、そして俺たち無事王城前までたどり着いたのだが・・・。


「なんだよ、これ・・・」


思わずそんな言葉が漏れる光景がそこにはあった。





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