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041.【リアリティ】の舞台裏(第3回)(2022.04.16)

 いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。


 私、先日からこういう旨のお悩みに関して【我流】で【考察】を巡らせております。


・【お悩み】:「どこまで【説明】すれば【リアリティ】が出せるだろうか……」


 先回はこのお悩みに対する反面教師として、『悪い意味でのオタク語り』について考察しました。

 第3回に当たります今回は、『【リアリティ】を醸す好例』から【考察】を巡らせることといたします。よろしくお付き合いのほどを。



◆3.【実感】:『【リアリティ】を醸す好例』から学ぶ【構造】


 前項では、『悪い意味でのオタク語り』を招く【要因】の一翼、つまりは「“自慢できるもの”が他にない」という自己【認識】(劣等感)への対処を次のように考えました。


・【対処案】:『“自慢できる要素”に代えて、“静かに誇れる要素(特にドラマや話術といった“魅せる【工夫】”に関するもの)”を増やしに行くこと』、つまりは『自分の【引き出し】を増やすこと』


 本項では、この『【引き出し】を増やすこと』を念頭に置きつつ【考察】を巡らせてみましょう。


 ただし、本論である『【リアリティ】を【観客】に感じてもらうこと』、ここから離れるわけにもいきません。後で『【引き出し】を増やすこと』には話を合流させますが(具体的には◆4.)、当面は【リアリティ】に関する【考察】を進めて参ります。よろしくお付き合いのほどを。


 さて、今回の【考察】のきっかけとなった【リアリティ】に関する、私の【持論】を。


○【持論】:【リアリティ】は『【観客】が自ら【主観】的に感じるもの』であって、『【作者】が【観客】の心を操って感じさせるもの』ではない


 実のところ【リアリティ】に限らず、“優れた印象”を私に感じさせる【作品】というのは、概して『押し付けがましくない』ものです。具体的に言語化を試みるなら『全てを解らせようとしない』ということになりましょうか。

 『【観客】の個性に応じた“【理解力】の幅”を受け入れる』、あるいは『【観客】がそれぞれに【理解】した情報から、【意味付け】を(【観客】なりに)汲み取れるように配慮されている』と表現するのが近いかも知れません。


 何が言いたいかと申せば。

 こと【リアリティ】に話を絞れば、“【観客】としての私”は以下のような【傾向】を強く感じる――ということです。


・【傾向】:ほとんど【説明】がなされなくとも、【観客】としては【リアリティ】を感じる場合がある


 【実例】を挙げてみましょう。

・コミック『アップルシード』(士郎正宗先生)

・映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(村瀬修功監督)


 いずれもテロを題材に扱い、またその【描写】の数々が醸す【リアリティ】に絶大な支持を受けている作品です。


 【観客】としての私が上記の作品群から感じたものは、『解りやすさとは無関係な【リアリティ】』です。『【観客】が内容を【理解】するか否か』とは全く分離されて、『【リアリティ】が感じられる』というものです。


 もちろんこれは『【観客】としての私』の【主観】に過ぎません。ですがそこを鑑みても、以下の【事実】は厳然として存在します。


○【事実】:【観客】が【リアリティ】を感じるか否かは、【作者】が示す“【説明】の情報量”に依存しない


 では、『【観客】が感じる【リアリティ】』は、果たして何に依存するのか――というところに興味が及ぶことと思います。

 ここで例示した【作品】群を私なりに観察してみると、以下の【事実】が共通して窺えます。


○【事実】:【作品】内で『優先的に伝えるべき情報』を、『【観客】に印象付ける【工夫】』が凝らされている


 この『優先的に伝えるべき情報』について、もう少し掘り下げてみましょう。

 例に挙げた【作品】に共通する傾向として、(【観客】に)『忘れられてもいい情報』、『気付かれなくてもいい情報』というものが、大変多く含まれています。

 ただし、これらの情報は全くの無駄というわけではありません。実はこれらの情報の一つ一つに対して、非常に高い確率で、『優先的に伝えるべき情報』が(部分的・断片的に)内包されているのです。


 例えば、このような【事実】があります。


・【事実】【※1】:テロに関わる者(体制側、反体制側を問わず)は、優秀であればあるほど用心深く行動する(具体例は割愛)


 これは関係者の共通認識で、その背景としては『テロは奇襲攻撃を旨とする。そのため攻撃のまさにその瞬間まで、準備を隠密裏に進める必要に迫られる』という【事実】があります。

 仕掛ける側は活動が露見しないように用心深く、逆に追う側は敵の痕跡を発見し追求するために用心深くなる――というわけですね。

 ですがこの【事実】【※1】、【作品】内では“【説明】として直接言及されることはほとんどない”というのが実際のところです。


 私の観るところ、実際の【作品】において各場面で描かれている“具体的【描写】”群、つまり“【表層】の情報”群とは、ほぼことごとくがこの【事実】【※1】に基づき“【状況】に応じて表面化した【応用例】”なのです。

 つまり【構造】としては、以下のようになります。


・【構造】:少数の【事実】【※1】(『優先的に伝えるべき情報』)に対して、それを基にした“【表層】の情報”という【応用例】が多数存在する


 この【構造】は、“【表層】の情報”の裏に、(【事実】【※1】のような)『優先的に伝えるべき情報』が共通して込められ続ける【構造】でもあります。

 これを逆に【観客】の視点から見ると、『優先的に伝えるべき情報』が『幾度となく反復・重複して(直接表現に頼らず)暗示される』【構造】になっている――ということになります。


 これがどう効果的かと言って、直接表現に頼ることなく【描写】群に【一貫性】と【法則性】を込めることができるわけです。あらゆる【描写】の根幹に『優先的に伝えるべき情報』が存在するわけですから。


 さて、ここで。

 ここまで見てきた『優先的に伝えるべき情報』が持つ性質は、詰まるところそのまま“【深層】の情報”のものです。

 表現を変えれば、『優先的に伝えるべき情報』とは、『【描写】という“【表層】の情報”群の根幹に共通して存在する、【原理原則】そのもの』です。

 これが“【表層】の情報”群の奥底で繋がっているからこそ、『通底するもの』としても認識されるわけです。つまり“【深層】の情報”とは『優先的に伝えるべき情報』の正体、というわけですね。

 逆に“【表層】の情報”とは、即ち【原理原則】から“【状況】に応じて表面化した【応用例】”と申し上げるのが適切でしょうか。


 実はこれ、【作者】側としては希望に満ちた発見――と私は観ております。

 この希望につきましては、次項にて触れていくことにしましょう。


 ◇


 というわけで第3回、好例から『【リアリティ】を醸す“情報の【構造】”』を見て取るところまで参りました。

 次回はこの【構造】に、どのような効能が期待できるのかを【考察】していく予定です。


 よろしければまたお付き合い下さいませ。


 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。

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