021.【考察】本当に【褒めて】もらいたい相手(2021.06.19)
いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。
私、『【褒めて】もらいたい欲求』から脱する――とまではできておりませんが。
ただ一方で、誰彼構わず「誰か【褒めて】!」と声を上げて回る衝動の、手綱を握るところまでにはきているようではあります(あくまで握るだけで、制御し切れているとは申しませんが)。
で、この状態で自分を観察してみるに。
私の考え付きました【仮説】は、『本当に【褒めて】もらいたい相手』というものが存在するのではないか――と申すもの。言葉を換えれば、『承認に関する【飢え】』を満たせる相手というのは限られているのではないか――とでも申し上げるのがよろしいでしょうか。
ここで陥りがち、と私が考えますのは「『厳しい【観客】』に褒められるのが名誉」という心理。
確かに否定はしませんが、私としては肯定もできかねる考え方です。
『厳しい【観客】』というのは、得てして『普段【褒め】ない人』であったりするものです。そんな『普段【褒め】ない人』が【褒めた】となれば、それは確かに希少なことではあります。
ただしこの心理、多分に『All or Nothing』の要素をはらんでもいることに要注意。希少な【褒め】を得られなかったら――つまりほとんどの場合は『厳しく判定されて終わり』になるのです。名誉もへったくれもないどころか、手厳しくアラを指摘されるまでがデフォルトというものです。
前提である『【褒めて】もらいたい欲求』を考えるならば、これは自ら傷付きにいくにも等しい行為とも申せましょう。
で、ここで忘れてはならないのが、『【褒める】のは技術を要する行為』ということです。
『作者の意図を読み取り』、『作品の根底に込められた【ワクワク】を深読みし』、『その【ワクワク】と現状を照らし合わせて』、『上手くできていることを【肯定形】で語る』――と、これだけ挙げただけでも、鍛えていなければできることではありません。
そして『普段【褒め】ない人』は、『【褒め】慣れていない人』である可能性が非常に高いわけです。何しろ、普段から【褒め】を鍛えていないわけですから。
なので『厳しい【観客】』は、『【褒め】られて名誉な相手』とは、必ずしもイコールとは限らないわけです。眼の前の『厳しい【観客】』が、単に『【褒め】ない【観客】』である可能性だって決して小さくはありません。
ここまで考えを巡らせてみると、『褒め】られて名誉な相手』、ひいては『本当に【褒めて】もらいたい相手』の人物像というものが、かなり絞られてくるはずです。
ここで私の考えますところ、こんな仮説が頭をよぎるわけです。 ――本当に『【褒め】られて名誉な相手』というのは『観る眼の優れた【観客】』ではないのか? ――と。
そして、『観る眼の優れた【観客】』というものの人物像は、あるいは下記のようなものではありますまいか。
1.作品を深く深く読み込む
2.作者の意図を読み取る
3.作品の根底に込められた【ワクワク】を深読みする
4.その【ワクワク】と現状を照らし合わせる
5.伸ばすべき【長所】を褒める
6.修正すべき【短所】を【指摘】する
7.なおかつそれぞれの方向性で『建設的な【提案】』を【肯定形】で示す
さてここで。
「そんなに都合のいい【観客】』がいるの?」という疑問が飛んできそうではあります。
こと1.~4.など、【作者】にとって都合の良すぎる話ではありますし、他人にここまで期待できるかとなると、私もこうお答えするしかありません。
「いないことはないでしょうが。出会う、【観客】になってもらう、加えて自作を読み込んでもらうとなると、他人に期待するには荷が重いですね」――と。
ではどうするか。私の答えは以下の通り。
「『【観客】としての自分』を厳しく鍛えることで、実現は可能」
そう、肝要な部分を他人に期待するからハードルが高いのです。ましてやそのハードルは『他人に対する期待』です。制御など及びもつくはずがありません。
ですが『【観客】としての自分』自身なら、話は違ってもきます。
【技量】であるとか【ワクワク】の種であるとかを求める意味も含め、【作者】自身が『【観客】としての自分』を鍛える意義は小さくありません。
そして鍛えるのはあくまで自分自身のことです。他の誰より融通が利きますし、さらには『唯一心を読める相手』でもあります。
もちろん甘やかしていては『観る眼の優れた【観客】』たり得ませんが、その時は同時に『本当に【褒めて】もらいたい相手』の存在が遠ざかることになるだけの話。つまり『代償なくして得られるものは、大きい存在になり得ない』ということですね。
そんなわけで『【観客】としての自分』を鍛える意義、その理由をまた一つ認識する私なのでありました。
よろしければまたお付き合い下さいませ。
それでは引き続き、よろしくお願いいたします。




