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193.【期待】と【カタルシス】、その【貸借関係】(第4回)(2025.02.01)

 いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。


 さて私、このところ【期待】について【考察】を巡らせております。


 【観客】が【作品】に抱く【期待】を考えるには、そも【観客】が【作品】に求めるものを観る【必要】があります。


 これを【我流】なりに考えてみますと。


 【観客】が求めるものは“【利益】と感じること”、特に【創作物】に対しては“【利益】としての【快楽】”、と捉えることができそうです。

 であれば【作者】の【立場】としては、『“【観客】が抱く【期待】”が向く先は、“【利益】としての【快楽】”を(【作品】の中で)“【継続的】に得られる”【可能性】』と捉えておくのが良さそうです。


 では、この【快楽】はと申せば。


 【観客】の“【利益】としての【快楽】”という【観点】で見てみると、まず“【欲求】を満たされること”が浮かび上がってきます。


 ただ同時に、『単に【欲求】を満たされるだけでは得られない【快楽】』もまた浮かびます。

 ここでいう“広義の【カタルシス】”がそれに当たりますが、これは『(【欲求】が満たされていない)【ストレス状態】から【解放】された【瞬間】に得られる』ことが解っているのです。


 前回はこの“広義の【カタルシス】”、その【位置付け】を掘り下げてみました。


 “広義の【カタルシス】”を“【動】の【快楽】”と捉えてみれば、“【欲求】に基づく【快楽】”つまり“【静】の【快楽】”と【共存】できそうですし、上手くすれば【相乗効果】も【期待】できそう――という【見通し】も得られてきます。

 “【動】の【快楽】”は『【欠乏】から【充足】に至るまでの【時間的変化】』、“【静】の【快楽】”は『(【観客】が)求めるものの【種類】』と、別々の【位置付け】を持っているわけですから。


 今回はこの“【動】の【快楽】”、その【存在意義】を考えてみましょう。


 ◇


○【検証】:“【動】の【快楽】”、その【存在意義】 


 さて、ここで。

 私としては、こういう【疑念】も【予想】するところです。


 ◇


・【疑念】「“【動】の【快楽】”? そんなもんなくても【作品】は【成立】するでしょ?」


 ◇


 この【疑念】、実は【完全】に【否定】できるとは、私は申しません。

 ただし“【静】の【快楽】”だけで【作品】を【面白く】しようとする気もありません。【理由】は【単純】、【難度】が【極端】に跳ね上がるからです。


 この点、【例】を挙げましょう。

 【ラヴコメ】で【関係性】を【成就】する、という【欲求】とその【物語】を思い浮かべてみて下さい。ここでは【性欲】や【関係性】の【確立】などが“【静】の【快楽】”に【相当】します。


 ですが、この“【静】の【快楽】”がなかなか(【完全】には)【満たされない】――というのは、よく見かける【展開】です。でありながら、【良作】と呼ぶに相応しい【作品】では、【観客】は【一喜一憂】しながら【強烈】な【魅力】や【牽引力】を感じていたりもするわけです。


 【象徴的】な【ミーム】がありますね。


 ◇


・【ミーム】「ええいじれったい! 俺ちょっと行ってやらしい雰囲気にしてきます!」


 ◇


 【観客】としては『じれったい(=【欲求】が【満たされていない】)のに、それでも眼が離せない(“やらしい雰囲気”になって欲しい)』というわけです。もちろん、大抵は『じれったい』ながらも【関係性】は徐々に【発展】していくわけで、そこで【欲求】は【部分的】に満たされて【快楽】が(【部分的】ながら)【提供】されるわけですが。


 ということは、です。こういった【ミーム】にまで【言及】されるような【作品】は『“【静】の【快楽】”として【満たされていない状態】を(ある程度)【維持】している』わけです。

 その上で、『代わりに“何らかの【快楽】”で【観客】の【欲求】を満たし続けている』ということになります。

 少なくとも『“【観客】の【欲求】を満たせない【作品】”には、【決定的】に欠けているはずの何か』を【提供】し続けていることになりますね。


 ここまでの【考察】を引き継ぐなら、こういった【作品】(しかも【良作】)が【提供】し続けているものは“【静】の【快楽】”だけで【説明】し切れるものではありません。


 すると【消去法】で、『そこには“【動】の【快楽】”、少なくともそれに関わるものが【存在】していて、それが【観客】の【興味】を【牽引】している』ということになります。でなければ、【観客】が【夢中】になる【理由】を【説明できない】わけですから。


 さて、ここで。

 私は『“【動】の【快楽】”、少なくともそれに関わるもの』として【表現】を少々ぼかしました。

 私の考えるところ、実はここに【期待】というものが含まれているからです。


 ただし【要注意】。ここに【期待】は間違いなく絡んでくるわけですが、それにはまず“【動】の【快楽】”を掘り下げなければなりません。“【動】の【快楽】”に関しては、【単純】な『【欠乏】/【充足】』では【説明し切れないもの】があって、【期待】はその中に【存在】しているはずなのですから。


 ◇


 さて、今回は一旦ここまで。


 “【動】の【快楽】”の【存在意義】というものは、例えば【ラヴコメ】で考えてみると見えてきます。

 “【静】の【快楽】”を満たすには『【関係性】を【成就】する』という“【欲求】を【満たす状態】”が【必要】なのですが、実際には【良作】ほど“【欲求】が【満たされない状態】”で【観客】の【興味】を【強烈】に【牽引】しています。

 つまり『そこには“【動】の【快楽】”、少なくともそれに関わるものが【存在】していて、それが【観客】の【興味】を【牽引】している』ということになりますね。


 次回はここから、さらに“【動】の【快楽】”を掘り下げてみましょう。


 よろしければまたお付き合い下さいませ。


 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。


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