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189.【リアクション】という【描写手段】(第7回・完結)(2024.12.21)

 いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。


 さて私、このところ【説得力】と、その【対極】にある【手前味噌】、さらにその【代替】となる【表現】の一つ、【リアクション】について【考察】しております。


 【手前味噌】は実に【危険】な【地雷】で、そこには【作者】の【作者】の【自制】の【欠如】が透けるものです。これは【観客】の【思考の自由】をいずれ【侵略】しかねないものですから、【読解力】の高い“ありがたい【観客】”ほど読み取って離れていくことになりかねません。


 そこで【思考の自由】を【尊重】する【表現】の【例】として、【リアクション】を取り上げているというわけです。


 さて【アクション】の【主語】は【自分】です。【手前味噌】に陥る【作者】は、往々にして【アクション】に対する【観客】の【思考】を操りたがるものです。例えば「【自分】の【アクション】にはこんな【効果】が!」という具合に。

 ただ一方で、【自然現象】は【観客】の【思考】を操ったりしないものです。すると、【アクション】に対する【観客】の【思考】を操ろうとする【表現】は、軒並み【不自然】ということになります。そして【不自然】な【表現】に【説得力】は宿りません。


 これは【表現】一つ一つ、この場合は【アクション】単体で【表現】を【完結】させようとするから【無理】が生じているのです。複数の【表現】で【意味付け】を重ねて【表現意図】を補い合い、それぞれ【観客】の【理解】を補えばいい話です。


 この時、【アクション】と【意味付け】を重ねて【表現意図】を補うのが【リアクション】というわけです。


 【リアクション】の【役割】は『【アクション】を【補助】すること』です。その一端として『【アクション】から【表現】の一部を引き受けて【内包】し、【アクション表現】の【軽量化】に【貢献】すること』があります。

 こうすることで【表現】の【分散配置】を【可能】にして、「(【表現】一つで)【全部】解って!」という【強迫観念】から離れる【可能性】を生む――という見方もできますね。


 もちろん【自制】を要しますが、私は相応の【見返り】があると【認識】しています。


 【アクション】の【主語】は【自分】(≒【作者】)ですが、【リアクション】の【主語】は【他人】です。例えるなら【リアクション】は【口コミ】に似ています。『“【客観】に近い【視点】”から語られるがゆえに、【手前味噌】がない』のです。その【結果】、強い【説得力】が宿るというわけです。


 ただしこれは、【リアクション】の【主語】に当たる『“【視点】の主”が【独立】した【行動原理】を持つこと』を【大前提】とします。【口コミ】の主が【サクラ】だったら、途端に【手前味噌】全開になって【台無し】になるのと同じですね。


 ではこの【リアクション】で何が起こるのか。


 【リアクション】の【主語】である“【視点】の主”は、【他者】です。【アクション】の【主】にとってももちろんですが、【観客】にとっても、他の【登場人物】や【現象】にとっても、です。

 この時、“【視点】の【主】”は他の【存在】に対して“【客観】に近い【視点】”に立ち、そこから【リアクション】を示すことにもなります。


 ここで、【作品】において【創造主】である【作者】が【他者】の【思考の自由】を【尊重】する時、【決定的】な【構図】が【成立】します。何かと申せば、【アクション】と【リアクション】が【現実世界】の【原理原則】と同じ【関係】になるのです。つまり【現実世界】と同じ【説得力】が生じるわけですね。


 前回は、そうして生じる【説得力】が及ぶ範囲について【考察】してみました。


 【アクション】と【リアクション】の【関係】を【現実】と【同様】に揃える時、そこに生まれる【説得力】は【シーン】という【枠】を越えて【作用】します。

 『(広義の)【登場人物】たち』、ここでは【作品世界】の【現象】や【物体】も含めてですが、それら【リアクション】は新たな【アクション】として次の【リアクション】を生み……と、この【連鎖反応】は【シーン】の中に留まらないわけですね。これらは大中小の【フラクタル】な【入れ子構造】として【観測】できるはずです。


 今回はまとめとして、この【事実】から得られる【説得力】の帯びさせ方、その【法則】の一つについてお話ししましょう。


 ◇


○【枠】を越える【リアクション】(その2)


 【リアクション】を用いて【アクション】に【説得力】を与える上では、【観客】や(広義の)【登場人物】たちの【思考の自由】を【尊重】する(【作者】の)【姿勢】が極めて【重要】です。


 ここで【アクション】と【リアクション】の【関係性】が【フラクタル】に【成立】するからには、つまりこういうことが言えるはずです。


・【物語】の【細部】から【全体】に至るまで、【説得力】を【表現】に帯びさせるためには、【思考の自由】を【尊重】する【姿勢】が極めて【重要】


 逆を申せば、【作者】が【主観的立場】から「こう思って!」と【主張】する【姿】というのは、【思考の自由】を【侵略】しがちで、【結果】として【物語】の大中小各【スケール】で【説得力】を損ねやすいことになります。


 その【意味】では、【作者】の【主観的立場】を廃して初めて『【物語】を(広義の)【登場人物】たちの【アクション】と【リアクション】で【構成】する』ことが【可能】になる【道理】です――もちろん他にも【要件】はあるにせよ。


 この時【物語】にあるのは『【作品世界】の中の【存在】(広義の【登場人物】たちや【現象】の数々)によって【駆動】される【現象】群』です。【作者】の【表現意図】や【演出意図】は【存在】するにしても、それは【観客】がそうとは【認識】しにくい形に【工夫】を施されているはずです。例えば“【作品世界】における【自然】な【現象】”の数々として【翻訳】し【再構成】されている――という具合に。


 こういった【物語】の【観賞体験】は、それこそ【現実世界】の【事件】を【目撃】するかのような【擬似体験】とまでなり得ます。もちろん【説得力】や【リアリティ】の点でも、【到達点】としては極めて高い【水準】を【期待】できるでしょうね。


 さて、ここまで【リアクション】の【立ち位置】とその【意義】について【我流】で【考察】して参りました。大雑把にまとめると、以下のようになるでしょうか。


 ◇


・【表現】を【アクション単体】で【完結】させるより、(広義の)『【アクション】+【リアクション】』で【構築】する方が【説得力】の面で【有利】


・【リアクション】が【有利】なのは“【客観】に近い【視点】”から生じているからで、この【客観】は【説得力】に【必須】な『【手前味噌】の【回避】』のために極めて【重要】


・【説得力】の【観点】から、“【客観】に近い【視点】”で生じる【リアクション】の【比重】は、むしろ【アクション】より重い方が【有利】


・【リアクション】はそれ自体で一つの【アクション】としての【意味付け】を持つことから、『【アクション】+【リアクション】』一つ一つの【情報量】は絞る方が【有利】


・『【アクション】+【リアクション】』一つ一つの【情報量】を絞る【意味】もあり、【作者】の【言いたいこと】や【表現意図】は【要素】ごとに細かく【分解】し、【現象】一つ一つ(およびその【並び】)に【翻訳】して【再構成】する方が【有利】


・【分解】した【言いたいこと】や【表現意図】は、【情報量】を絞る【意味】でも【塊】にせず【分散配置】する方が【有利】


・【言いたいこと】や【表現意図】を【分散配置】する【意味】もあり、『【アクション】+【リアクション】』は【物語全体】で【フラクタル】な【入れ子構造】を【構成】する方が【有利】


 ◇


 もちろんこの【考え方】が【唯一】でも【絶対】でもありませんが、【参考】の一つとしていただけましたら幸いです。


 よろしければまたお付き合い下さいませ。


 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。

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格闘技などは 相手の挙動に対応する動きがあり 型と呼ばれる動きもあります 野球の守備ならシフトでしょうか? 逆を突かれる場合もありますが 相手の動きに反応するのは アリかと
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