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181.【予告編】に関する【一考察】(第6回)(2024.10.19)

 いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。


 私、【あらすじ】欄へ書き込む【内容】については大いに悩んだ【経験】を持っております。


 何せ【額面通り】に捉えれば、【あらすじ】は公募原稿で求められる【梗概】と【同義】、つまり【作品全体】の【要約】です。私としては「え、全部【ネタバレ】って、それでいいの?」と【躊躇】しますもので。


 では、【あらすじ】欄の【内容】として望ましいものは――というところに【興味】が赴くと考えますが。


 【額面通り】の【梗概】や【あらすじ】は、公募の【選考委員】でもない【観客全員】が求めるもの〝ではありません〟。

 『【観賞】前にいきなり【核心】までの【ネタバレ】をぶちまけられた』として、喜ばない【観客】も相当数は【存在】するわけです。

 また【Web小説】、しかも【連載】という【公開形態】も考え合わせれば、そもそも【額面通り】の【梗概】や【あらすじ】、つまり【核心】まで含め【ネタバレ】が【選考委員】でもない【観客全員】を喜ばせることにはなりません。


 と、ここまでを【確認】した上で。

 【あらすじ】欄の【可能性】欄について【考察】してみますと。

 例として【文庫本】の【アオリ文】に【着眼】してみると、この時点で『【作品】には【本編以外】における【楽しみ】も【存在】している』ということが判ります。この『【本編以外】における【楽しみ】』を、私は【周辺体験】、ただしその中で【プラス】の【事例】と位置付けております。


 人は【体験】で、【物事】を【人生】の【一部】として取り込みます。またそこで【価値観】に照らして、初めて【価値】が【認識】されます。

 逆に『【物事】の【存在】を知る』という【体験】すらない場合、人は【価値】を感じることはないわけです。


 また【作品本編】以外でも、【アオリ文】などの【周辺体験】で【期待】に胸躍らせたなら、その【周辺体験】そのものにも【価値】を感じることはあり得るわけです。


 つまり広義で考えれば、『【期待】を煽るものも含め、【周辺体験】は【作品】の【価値】の一部たり得る』ということになりますね。


 【作品】の【周辺体験】の一つとして【期待】を煽る上では、【先人】たちの積み上げてきたものから【範】をいただくことができるはずです。


 そう考えると【文庫本】などの【アオリ文】は【手本】の【一例】ということになります。ただ私としては、【研究材料】として【予告編】を挙げますところ。


 もちろん【予告編】と申しても【映画】あり【アニメ】ありと様々です。ですがもちろん、【自分】が【観客】として【良質】と感じたものを【サンプル】として【学び】を得ていけばいい、というのが私の考えですね。


 そこで前回は、【予告編】から得られる【学び】についてお話ししてみました。


 【予告編】から得られる【学び】は、何も【作品紹介】のためだけのものでもありません。短い中で【観客】の【意識】を惹くわけですから、これは【作品本編】にも【応用】できるものです。同時に〝【紹介】しやすい【作品】〟というものに【作者】として【意識】を振り向ける【契機】にもなります。


 というわけで、今回は私なりに【具体例】をご覧に入れてみましょう。


 ◇


○【実例】:【アオリ文】と【予告編】


 さて、【予告編】を通じた学びをお伝えした上で。

 【具体例】としてはどうなるのか――というわけで、私なりに【サンプル】をお出ししてみましょう。

 【お題】は映画『ダイ・ハード/ジョン・マクティアナン監督』。この映画から私なりに【アオリ文】と【予告編】の【実例】を作ってみます。


 ◇


・【アオリ文】『ダイ・ハード』


 高所恐怖症の刑事ジョンは、遠く西海岸の高層ビルを訪れる。クリスマス・イヴ、別居中の妻との仲を修復するために。

 しかしそこへ、武装集団が現れる。巧妙かつ周到なその手口は、高層ビルを瞬時に高所の密室へと仕立て上げた!

 ほんの偶然から拘束を免れたジョン。だが孤立無援、しかも武装は拳銃一挺。

 武装集団の目的は。妻をはじめ人質たちの命運は。

 頼れるものは己のみ。ジョンの孤独な戦いが始まる。


(192字)


 ◇


・【予告編】『ダイ・ハード』


異郷の聖夜。「西海岸だな」

摩天楼にて。「裸足が高所恐怖症に?」

別居の妻と。「あいつ……」

襲撃に遭う。「静かに」


孤独な抗戦。「『お前らの銃はいただいた』?」

味方を作れ。「ビルから撃ってくる!」

敵には知能。「同志の釈放を」

武装と計略。『我々に勝てるとでも?』


賭ける目あらば即ち挑む。

知略と機転がしのぎ合う。


絶望を踏み死線をくぐれ。

頼みのヒーローは即ち己。


■DIE HARD


「『これでも食らえ』、畜生め(Yippee-ki-yay, motherfucker.)」


(199字+英文追記30字)


 ◇


 以上の【アオリ文】と【予告編】は、概ね同じ長さ(190字+α)を狙っています。


 ここで【アオリ文】に覗くのは、『【内容】を【明確】に【言語化】しつつ【期待】を煽りにいく【姿勢】』というところでしょうか。その一方で【予告編】に覗くのは、『【要素】を【断片的】に【提示】しつつ、その【関係性】や【解釈】を【観客】に委ねながら【期待】を煽る【姿勢】』と言えそうですね。


 この【比較】は同時に、【直接表現】と【間接表現】それぞれに込め得る【情報】の【質】と【量】を示してもいます。


 【アオリ文】に多用される【直接表現】は、【質】として【正確】な【伝達】を重んじます。このことから、【要素】間の【関係付け表現】を【表層】の【表現】として【明示】することになります。その関係上、【関係付け表現】相当分だけ【行間】に込められる【情報】の【量】は【圧迫】されもするわけです。


 一方で【予告編】で多用される【間接表現】は、【質】として【解釈】の余地が拡がることを許すことになります。これはもちろん【要素】間の【関係付け表現】を【行間】に沈めているためですが、これに対してただ【無策】のままというわけでもありません。

 この【予告編】では複数の【表現】に対して、【順序】や【流れ】といった【配置】で【関係付け】や【意味付け】があることを【暗示】しています。例えばこういった【配置】が、【関係付け表現】相当の【役割】を担うことになるわけです。すると盛り込める【情報】の【量】は、【関係付け表現】を【行間】に沈めた分だけ稼げることになりますね。


 実は【予告編】の【内容】は、【アオリ文】からそう大きく変えているわけではありません。【基本的】な【考え方】としては、『【アオリ文】の【内容】を、【作品本編】にある【表現】の【コラージュ】に置き換えた』というものです。ただし主として【関係付け】を【表現】するため、【流れ】としての【順序】に【表現意図】を込めて【アレンジ】してはあります。


 また【観察】していただければ、今回の【予告編】にある【組み合わせ】『【地の文】+【科白】』は、こう読み取れるはずです。即ち『【地の文】は〝【特定】の【シーン】が【意味】する【焦点】の一つ〟を表し、【科白】はその〝【特定】の【シーン】を【象徴】する【一言】〟を取り上げている』と。

 もちろん【科白】から選ぶ【場合】も〝【シーン】の【焦点】〟から選ぶ【場合】もあり、決して【機械的】に【作業】できるわけではありません。ただ、選ぶ上での【方針】は【存在】している――とまでは【ご理解】いただきやすいかと考えます。


 ◇


 さて、今回は一旦ここまで。


 実際に作ってみると、【アオリ文】と【予告編】それぞれに【特徴】があるものと観えてきます。


 【アオリ文】は【直接表現】を【主体】として【正確】な【言及】を【意図】する作りが窺えます。

 対する【予告編】は【間接表現】を【駆使】する作りですね。【象徴的】な【単語】や【科白】などの【コラージュ】を多用して【作品】の【雰囲気】を伝えつつ、【流れ】や【順序】まで含めて【意味付け】を補い【解釈】の【余地】も持たせていく【構成】が【可能】ということになります。


 もちろん、【両者】に【上下】があるわけでもありません。ただ【特徴】が異なる以上は、そこから得られる【学び】もあろうというものです。


 次回は【予告編】で得られるものの【活かし方】、その【一例】についてお話ししてみましょう。


 よろしければまたお付き合い下さいませ。


 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。

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