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105.【属性】→【エモさ】、その【行間】(第5回)(2023.05.20)

 いつもご覧いただきまして、誠にありがとうございます。中村尚裕です。


 私、ここのところ【登場人物】を切り口として、『【記号】と【エモさ】の結び付き』とその【応用】について【考察】を巡らせております。


 『“【属性】に対する【エモさ】”は、伝わらない相手には、全く伝わらない』という【事実】からして、【エモさ】の【背景】には一種の【教養】、ここでは“鍵となる【作品】や【事象】”が【存在】することになります。


 言い換えれば、こういうことです。『“【エモさ】を引き出す鍵”として多用される、“【属性】を始めとする【記号単体】”には、【エモさ】は宿っていない』。


 であれば、『【属性】を並べただけで【エモさ】が伴わない【表現】』が【存在】する――という【事実】にも【納得】のしようがあるというものです。


 これを【観察】していくに、『“【属性】という【記号】”と【エモさ】の結び付き』は、『【行間】と呼ばれる【情報】の【圧縮】ツール』と同じ【原理】で【説明】可能――と私は【認識】しております。


 【表層】に配置した【表現】、この【背景】に【存在】する【事実関係】を通じて、『さらなる【意味付け】を書かずして描く』という【構造】は、【属性】にも【行間】にも共通するというわけですね。


 今回はこの【行間】を手がかりに、『“【属性】という【記号】”と【エモさ】の結び付き』を掘り下げてみましょう。


 ◇


 ここで【行間】について、【我流】の【理解】をご提示しておきます。


 【行間】は、主として【事実関係】を収めるのに向いています。ここでは【例文】を用いて、【説明】を試みてみましょう。


 ◇


【例文】1.特に【圧縮】しない【文章】例

 夜だった。空には満月が浮かんでいた。満月の下なので、夜にしては視界は通る。

 βが顔を伏せた。そこまではαからもよく見えた。だが、そこからはβの顔に影がかかって、表情はよく見えなくなってしまった。

 顔が隠れる直前、βは眉根をきつく寄せていた。そこにαは、βの険しい感情を垣間見た。

(140字)


【例文】2.【行間】を利用した【圧縮】例

 満月の下、αの前、βが顔を――伏せた。影の中へ。その寸前、αの眼に焼き付く――βの眉根。寄る険しさ。

(51字)


 ◇


 少し【解説】を。

 【例文】2.で【行間】に収めている【情報】の一例として、『満月と光の加減に関する【情報】』があります。

 ここで『満月』というからには、例えば以下の【現象】が【関連】しているわけです。


・時間帯は夜。

・夜ゆえに暗い。

 ・表情などは、角度などといった条件によっては、容易に見えなくなりやすい。

・満月の光によって、夜にしては明るい状態。

 ・満月の光が当たる部分、例えば顔を正面に向けている状態での表情は、比較的見えやすい。

 ・逆に顔を伏せてしまうと、影が落ちて表情は見えにくくなる。


 ここに挙げた【現象】は、【現実】において日常よく見かけるものや、そこから比較的容易に【連想】できるものです。よって【共通認識】としての【機能】が期待しやすいわけで、【事例】ではこれら【共通認識】で結び付けられる【事実関係】を『【表層】から省いて“【行間】に収める”』こととしています。


 他にも【行間】に収めた【情報】はありますが、ここで申し上げたいのは『【作者】と【観客】の間の【共通認識】を利用することで、“【行間】に【情報】を収める”という【表現手法】が成立する』ということです。


 これと同様に【共通認識】を利用する形で、『“【エモさ】の【背景情報】”は“【属性】などの【記号】に結び付く【共通認識】”に収められている』――と、つまり私が申し上げたいのはそういうことです。


 さて。

 このようにして『“【エモさ】や【行間】を【記号】で【連想】させる”という【表現手法】は、【共通認識】を利用することで【可能】になる』というわけですが。


 これは【共通認識】が“【作者】と【観客】の間”、あるいは“【観客】と【観客】の間”で【共通】しているからこそ【可能】になるものです。

 逆に【共通認識】が【存在】しなければ、“【行間】を用いた【表現手法】も、“【属性】や【状況】という【記号】に【エモさ】を結び付ける【表現手法】”も、成立しないことになります。


 ですから例えば『【原作】という【共通認識】を持たない【観客】が、【二次創作作品】の良さを【理解】できない』のは当然の【現象】ですし、もちろん『【原作】に【エモさ】を感じることができなかった場合にも、【共通認識】は成立せず、従って【二次創作作品】の良さを【理解】できない』のも当然です(『【二次創作要素以外】の【完成度】を高めた結果、【原作】に頼らず【名作】たり得る【二次創作作品】も【存在】する』わけですが、それは『【原作】に頼らずとも成立する【完成度】』を高めたがゆえのことです)。

 同じく『【解釈違い】で【共通認識】が成立しない場合に、【二次創作作品】の良さを【理解】できない』のもまた当然というわけです。


 ◇


 さて、今回は一旦ここまで。


 ここで申し上げる【共通認識】には、“【属性】という【記号】”を【エモさ】と結び付ける“一種の【教養】”を含みます。特に【二次創作】における【原作】とそれにまつわる【体験】を指しますが、これは『日常的に接する【現象】やそれに関わる【連想】』に、【位置付け】として近しいものですね。


 いずれ【属性】にせよ【行間】にせよ、【共通認識】を利用して成立する考え方というわけです。これを上手く扱えば、利点は様々あることになるわけです――上手く扱えば。


 そこで次回は、この【共通認識】を取り扱う上での難しさ、これについてお話ししてみましょう。


 よろしければまたお付き合い下さいませ。


 それでは引き続き、よろしくお願いいたします。

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