連絡
どうしてこうなった。
オレが登校するとクラスのほとんどがこっちを見てくる。
昨日から視線が俺の方に集まっている。
当たり前だ。だってあんなに人がいる中で人気のある女の子に告白されたのだから。
「よう、悠斗。」
オレの幼なじみのイケメン、こうこと羽川広大が声をかけてくる。
「おう、こう。」
「あいかわらず注目されてるな。お前。」
「当たり前だろう。なんでこんなことになったんだよ。」
オレはため息をつく。
「元々目立たないようにしてたのになぁ。まさか女子から告白されるなんて思ってもなかったな。」
「しかも男子から人気が高い宮本さんからだからな。うらやましすぎるだろう。」
「女子から人気のあるお前に言われてもな。……まぁこうは、人気があるだけでモテないけど。」
いつも人気があるだけでいい人止まりの幼なじみに苦笑する。
「てかなんで人気はあり、イケメンでバスケボール部エースであり、テストでは次席のお前がモテないの?」
「それは俺が聞きたいんだけど…何か知らないか?」
「……さぁ?」
そういうモテたいアピールをしているからじゃないと思ったがここは黙っておく。
「でも、宮本さんがお前に告白したのは意外だったな。ラインも交換したんだろう、何かラインきたのか?」
「いや、何もきてない。」
「そうなのか?」
「昨日は○長の野○をやっていたからなぁ。珍しく宿題なかったし。ラインの通知も聞こえなかったから送られてないと思う。」
通知オフにしてなかったし確認もしたから間違えてないだろう。
「……そういえばもうそろそろホームルーム始まるのに宮本さんまだ来てないよなぁ。」
隣の席は未だに空席になっている。
「らしいな。」
すると予鈴のチャイムがなる。授業開始五分前なので席に座ろうとすると
ガララと扉を急いで開けた音が聞こえる。
すると宮本さんが走ってきたのか息を切らしていた。
「おはよう。松井君。」
「あぁ、おはよう。どうした?」
「ちょっと寝坊しちゃった。」
「あぁ、でも間に合ってよかったな。」
理由まで聞くのはやぼだろうし先生がくるまで待とうとすると
「ごめんね。昨日ラインできなくて。」
「いや、しないといけないわけじゃあないから。用事とかあったなら仕方ないし。」
「用事はなかったんだけど、どんなこと送ればいいのか分からなくて、考えていたら夜中になっちゃった。」
クスッと笑う宮本さんに目を背けてしまう。
ヤバい普通にかわいい。
少し深呼吸したあと
「それならライン電話かけてこればいいぞ。」
「えっ?」
俺の提案驚いたようにしている。
「別におかしなことじゃないだろ。夜は基本的でゲームしてるか、こうと勉強してるかのどちらかだから暇だから。」
「それなら、今日の夜電話するね。」
「おう。」
するとまた、チャイムがなり担任がやってくる。
朝のホームルームの始まりだ。
まぁ、皆からじろじろ見られているのにはかわりはないが、まぁこんな日もあってもいいと少し思った。
その翌日、二人揃って寝坊してしまったけど……