プロローグ
「私は松井君のことが好きです。付き合ってください。」
「……はっ?」
すると女子から叫び声が聞こえる。
オレは弁当を食べながら固まる。今あったことを言うと
友達のこうと昼飯の購買で買った総菜パンを食べていて、こうとしゃんけんをしジュースを買いに自販機に買いに向かわせたら隣の席の杉谷さんに告白された。
何を言っているのか分からないけど本当の話だ。
小説とかだったら、告白は屋上とか人気のない場所でやるだろう。
しかし今は昼飯中の最中でクラスのほとんどが教室にいる。
どうしてこうなった。
しかも振っても了承してもどっちにしろ地獄だろう。
でもいつも明るくてクラスのトップカーストにいる女の子が告白された地道グループのオレが告白されるわけない。多分罰ゲームかなんかだと思っていて杉谷さんの方をみると
「……////」
顔が真っ赤でそういう雰囲気じゃない。
しかもクラスの皆が見てるし逃げ場はない。
なにこの地獄。
「えっと、杉谷さん」
「ひゃ、ひゃい。」
「なんで今?」
俺が聞くと
「すみません、トランプで負けてしまって罰ゲームで」
やっぱり罰ゲームなのか?
それなら断ればいいと思っていたけど
「好きな人に告白しないといけなくなったんです。本当は屋上で言いたかったんですけど。」
「……」
ヤバいかわいい。かわいいけど。
「……なぁ、告白しないといけなくなったんなら今やるんじゃなくて呼び出してから告白してもよかったんじゃないのか?」
「……あぅ」
ちょっと天然なのかな?
少し笑ってしまう。でも
「……ごめん。俺杉谷さんのことあまり知らないから杉谷さんの彼氏にはなれない。」
真剣だからこそその想いには真剣に答えないといけない。
「……はい。」
「だから友達からでいい?」
「……え?」
驚いたようにこっちを見る杉谷さん
「あまり女子と友達がいないからたぶん失礼なことも言っちゃうと思うけど、もしよかったら友達になってくれるとうれしい。」
「私なんかいいんですか?」
「逆に俺なんかでいいの?」
俺が戸惑ったように言うと、杉谷さんは自然と微笑み
「はい。松井君だからいいんです。」
そんな笑顔と言われても俺が困るんだが
えっと、じゃあライン交換しませんか?」
「あっもちろん。QRコードで大丈夫?」
「はい!!」
俺が慌ててスマホを開くと杉谷さんはスマホを取り出しラインのQRコードを開いていた。そしてQRコードを読み取りラインを確認する。
そこにはかわいいキャラのスタンプが押されてありよろしく!と書いてあった。
「なら、また連絡するね。」
「了解。」
杉谷さんは自分のグループに戻り、俺はまた昼飯に戻る。
こうが帰ってくるきてからも総菜パンの味は分からなかった。