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氷結の騎士は民を背に  作者: 蒼月
第四章~目覚めし騎士~
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第六十三話~謎多きの魔導師~

 エメリィとマリーンは杖を正面に掲げ、高等技術詠唱省略で魔法を発現させる。周囲に火球を生み出すと杖を適に向け


「「ファイアボールッ!」」


 二人の魔法で互いに同時に火球が敵に迫り、二人ともが防御の為に次の魔法を発現させる。


「フェードウィングッ!」

「ウォーターボルトッ!」


 エメリィは風の初級魔法ウインドガーターの応用であるフェードウィングを唱える。フェードウィングにより、エメリィの正面には風の壁が膜のように広がり、迫った火球の威力を殺していった。

 対してマリーンは、自分の周囲に新しく青色の魔法陣を展開させ、ファイアボールと対になる水球を作り出した。現れた水球は迫る火球に精確にぶつけられ、火球と水球がぶつかり互いに相殺し合うと火球の火は消え水球は蒸発をしていった。


 二人はファイアボールの攻撃を続けながら防御の為にも魔法を使った。詠唱省略だけでなく魔法の二重詠唱という高等技術を見せ、二人の技量の高さにギーブはいやというほど現実を突きつけられていた


「二重詠唱に詠唱省略、それに魔法の質もあの高さとは…………」


 二人の戦いの様子を見ていたギーブは、自分が今まで修行していた魔法とは比べ物にならない魔法の使い方に驚きが隠せずにいた。ギーブは魔法を使えるというだけで充分な強さはあった。軍に入隊するよりも前に中級魔法までを習得するというだけでもかなりの能力であり、国内で探してもここまでの人材はそうはいない。しかし、そんなギーブでさえ二人の実力は異常に感じ取れた。

 それもそのはず、そもそも現代の魔法の殆どは目の前マリーンが完成させたものなのだから。マリーンが大陸随一の天才魔導師と呼ばれるのは、この魔法という技術を確立させたことに他ならなかった。マリーンが現代の魔法を完成させるより前までは、魔法などというのは一部の神を崇拝するような一部の者が行う怪しげな儀式でしかなかった。それが、僅か数年で太古に存在した魔法を研究し、今の人間でも使えるように術式といった技術を確立させ発展さしたことにより弱小国であったレギブスは、パラメキア帝国と並ぶ程までの軍事国と成り上がったのだ。このように、マリーンはこの大陸での魔法の第一人者であり、その力の一部を身に付けただけのギーブからすれば、マリーンの実力はこの世のものとは思えない程高位のものなのだ。

 だがそこで一つの疑問がギーブの中に生まれた。それは、マリーンと対等に戦うエメリィの存在である。魔法を身に付ける上でマリーンの名前はその偉業から必ず知ることとなる。しかし、エメリィという名は聞き覚えがなく、実力の高さから余計に謎の存在となっていた。


「あの女、魔法の腕は相当なものだが……国内にいれば噂ぐらいはたつもんだが……」


 ギーブの言葉通り、実力の高い者は人々の間で有名になり噂などで情報は伝わる筈である。それなのに、戦力を必要とするこの時代に名前が拡がっていないというのはおかしな話であった。




 ギーブの疑問は尽きなかったが、それはエメリィの生まれに関係があった。エメリィは元はレギブスの人間であった。殆ど知られてはいないが、実はここ数年前まではマリーンと共に魔法の研究をし魔法の応用や超級にあたる魔法を編み出したのはエメリィであった。マリーンの一番弟子であり、そして最もマリーンと対立している人物でもあった。


「まったく、本当に面倒ね」


 ここまでファイアボールだけで手加減をしていたエメリィは、マリーンの実力の高さにイラついていた。手加減をして戦っていたのはマリーンも同じであり、それが見え透いていたために無意味に魔力の消耗をしていただけであった。


 ……扱える魔力量は私の方が上とは言え、長期戦になれば全体でみればこっちが不利……それが分かってての時間稼ぎね


 マリーンの狙いが単なる時間稼ぎであることはエメリィにも分かっていた。どんな魔術師であろうと、一人が扱える魔力の量には限りがあった。魔導師である二人の扱える魔力量は普通の魔術師の何倍にも及び、その中でもエメリィは魔力量ではマリーンに勝っていた。普通に戦えばエメリィが優位になるはずの展開、しかしそうならないのは軍全体の優劣はエメリィ側が不利だったからだ。故に、マリーンはここで勝つ必要はなく、時間稼ぎに徹していた。

 時間が長引けばエメリィはそれだけ不利となる。それを避ける為にも、エメリィは決断を下し


 ……こうなれば、超級魔法も解放するッ!


 早々に決着をつけたいエメリィはファイアボール、フェードウィングの二つに合わせ、更に詠唱を始めた。


「火の精霊よ、地より舞い上がり、天へと届きし炎のつるぎ、その業火をもってして、我が敵を滅せよ!ツインズ・バーストッ!」


 エメリィの詠唱は、今までとは規模の違う巨大魔法陣から防壁の高さよりも高く昇る二つの炎の渦を生み出した。炎の渦は周囲に熱を振り撒き、空からの水を全て蒸発させながらマリーンへと進み……


「水の精霊よ、大地に眠りし命の巡り、空へと落ちし滝よ、その水流は何者をも飲み込み、我に迫りし炎を打ち消せ!スカイ・ウォーターフォール」


 エメリィの詠唱に合わせ、対となる魔法を唱えたマリーン。生み出された空へと昇る水の滝。生み出された二つの魔法がぶつかり合い、炎と水による城門を破壊しかねない程の爆発を生み出した。

どうも、作者の蒼月です。

今回の話、本当は魔法の戦いを書きたかったのですが、私の技術が足りず全然文章に出来ませんでした。m(__)m

魔法は相手に伝えるのが難しいものと改めて実感させられましたので、今後も精進して練習していきたいと思います。

では、次も読んでいただけると幸いです。

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