表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
氷結の騎士は民を背に  作者: 蒼月
第一章~模擬戦~
25/560

第十話 ~模擬戦~5

 ……消えただと!どこに――――っ!


 カーリーは周囲を見渡すがセヴランの姿は見えない。しかしカーリーは振り向き、己の勘を頼りに剣を振るう。

 剣と剣のぶつかり合う高い金属音が広がる。しかし、そこにセヴランの姿はない。


 ……速すぎる!なんだこれは!


 斜め後方からの攻撃、続けて位置を変え何度もセヴランの攻撃が続けられる。

 カーリーは己の勘を頼りに剣を降り続け、セヴランの攻撃を紙一重で防ぎきる。普通の人間ではセヴランの姿を捉えることは出来ない、カーリーでさえもセヴランの気配で判断しているのが現状だ。しかし、姿の見えないセヴランに対応出来るということがカーリーの実力の高さを表していた。



 高速で乱れる視界の中でセヴランは思う。


 ……この速度で対応してくるのか、やはり化け物だな


 セヴランはカーリーの背後から右の剣で切りつける……が、カーリーは振り向き剣で防がれる。

 攻撃は決まらず弾かれるがセヴランは止まらない、速度を落とすことなく次の一撃を狙う。


 ……実力の差はどうにもならないな、このままじゃ……



 何度も攻撃と防御の応酬が繰り広げられる。圧倒的な実力差のある相手に迫るセヴランがすごいのか、それとも目にも捉えられぬ相手をするカーリーが化け物なのか、周りの者はただ見守ることしか出来なかった。


「カーリー隊長に勝てるのか」


「あんなにすげぇ魔法を使えるんだ、負けるはずないだろ!」


「でも、あのカーリー隊長が負けるなんて想像できないな」


 誰が話していたのかは分からない、しかし皆がこの戦いを見てそれぞれが様々なことを思う。


 ……同世代の仲間に勝ってほしい


 ……カーリー隊長が負けるとは思えない


 ……自分もあれだけ強くなりたい


 ……こんな戦いを見られるのはこれが最初で最後だろう


 皆、思うことは様々だが戦いに惹き付けられた。

 剣と剣のぶつかり合う度に出る火花は夜空を彩る星のようであり、剣を振るう戦士達の動作は舞いであり、いつまでも眺めたいと思うほど美しかった。

 いつまでも続くかのように思われた戦いに変化が訪れる。



 攻撃をカーリーに弾かれたセヴランが地に高速で転がる。セヴランは剣を地に刺し無理矢理に速度を落とし剣に引きずられるように地に倒れた。


「セヴラン!」


 シンの叫びと誰もが戦いが終わったと思ったが


「まだ終わってない……少し……疲れただけだ……。」

 セヴランの言葉とは対照的に、息は荒く地を転がったためか体のいたるところから出血している。


 ……加速魔法を使いすぎたか……足の感覚がなくなってきてるな


 魔法とは特別万能なものではない。魔法を使うには体内の魔力も使うが、魔法を使用すれば魔力は消費され体への負担となる。術式が確立された四属性の魔法ならば消費魔力も比較的少なく、安定して長時間使用出来る。しかし、四属以外の魔法は術式が複雑になり消費魔力も多く、術者の魔力量によってはまともに使用することは出来ない。

 セヴランは剣に体重を掛け、震える足に鞭を打ちようやく立ち上がる。対するカーリーも、先程までの攻防での消費からか、肩の動きが大きくなっている。


「これほどまでの広範囲に魔法を広げ、更に加速する魔法の同時発動、その若さで大したものだ。しかし、これだけの魔法……どれほどまでの魔力を持っているのだ?」


 カーリーの質問にセヴランは息を整えながら


「私の持っている魔力の量はとても少ないですよ、普通の四属の魔法を数回使えば尽きる程度の魔力だけしか」


「ならば尚更不思議なものだな」


 カーリーは剣を突き立て戦闘の構えを解く。


「だから、この剣に魔力の術式を付与してあるんですよ。直接使えるようにね」


 セヴランは剣の側面、術式の彫りこまれた面をカーリーに向ける。二人には距離があるため文字までは見えないであろうが、カーリーからも模様のようなものは見えたのであろう


「ほぉ……面白い」


 腕を組み納得した素振りを見せ


「しかしその加速、それはの負担は魔力の消費だけではないだろ?体が直接影響を受けるんじゃないか」


 セヴランの眉が僅かに動く。

 隠せるものではないが、カーリーの予想は的中していた。セヴランの加速魔法は特性上足の裏に力が集中し、体はその負荷に耐えられない。セヴランは長い間、この魔法に慣れるための修行を繰り返してきたため短時間ならば負荷を最小限に押さえれるようになっていた。しかし、既にその制限時間を超えておりセヴランの足は筋肉が何ヵ所も切れ、骨も軋み始めていた。足以外にもセヴランの内臓は激しい動きに耐えられず、内部から損傷していた。


「どうする、お前の実力は充分すぎるほど伝わった。ここで体を壊すこともないだろう、もう止めたらどうだ?」


 ……やめる?何をだ、ここまできて自分の実力が通じないと決めつけられ終わるのか?この程度の戦いも勝てないで誰が守れるっていうんだ!

 セヴランは剣を引き抜き再び構える。


「カーリー隊長、ここまできて引けるわけないじゃないですか、私はあなたに勝って国民を守れる力があると証明するまでです」


 鬼神は微かに笑うと


「よく言った、それでこそだ、全力で行くぞ!」


 カーリーもまた剣を引き抜き、正面で構える。

 魔法による強化で鬼神に迫りし新たなる兵士

 圧倒的なまでの実力差で魔法による強化で人の域を超えし騎士を迎え撃つ鬼神。


 両者の戦いは最終局面に移ろうとしていた。

どうも、作者の蒼月です。

前回のを分割してもののため今回も短いです。

今回は魔法に関する説明が多かったですが、魔法についての説明は今後でてきます。今はまだ説明がないため、魔法に理論のない状態ですがご容赦くださいm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ