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氷結の騎士は民を背に  作者: 蒼月
序章~日常の終わりと少年の終わり~
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第弐話 ~力なき少年~

 序章 「日常と少年の終わり」


 セヴランとリーナはフィオリス王国、国境周辺の小さな村に住んでいた。そのため、軍の小競り合いを見ることは幾度かあったが、本格的な侵略を受けたのは二人が十三才の時だった。


 隣国、軍事国家レギブスの進行を受け国境の警備隊が全滅し、侵略軍が目をつけたのは国境に最も近い、セヴランとリーナの住む村だった。

 侵略軍の馬から逃げることは不可能と判断し、子供達を家に隠し、大人は子供を守るために抵抗した。しかし、正規の軍には敵うはずもなく、一方的に、皆殺された。

 子供は家に隠れていたが、侵略軍は略奪が目的の為隠れることに意味はなかった。次々と敵は各家に押し入り、そしてその時は、セヴラン達の家にも来た。

 家の一番奥の部屋に鍵をかけ、籠城の形をとっていた。音で家の中に入られたことはセヴランもリーナも理解していたが、恐怖で動くことは出来なかった。

 足音はしだいに大きくなり、破砕音とともに扉が破られた。


「うあぁぁぁ!」


 子供でも持てるほどの細い角材を持ち突撃するが、入ってきた男に片手で角材を掴まれ壁に叩きつけられた。鎧に身を包んだ男は


「リーナ・クロウディア……だな……」


 そう言い放つとリーナの腕を強引に引き


「嫌、離して!助けて、セヴラン!」


 体を起こし、彼女の叫びに応えるように足を踏み出し____止まった。否、顔の前に剣を突きつけられ、止められたのだった。


「やめておけ、お前には力がない、無駄に死ぬだけだ」


 そう一言を残すとリーナを連れ去った。リーナはただひたすら、助けてと叫んでいた。だが、セヴランは動けなかった。自らの無力さを思い知らされ、絶望した。聞こえていたはずのリーナの叫びも、いつしか聞こえなくなっていた。

 侵略を受けていくらかの時が経った後、フィオリス王国軍の討伐軍は村に到着したが、それはすでにレギブス軍が退散した後だった。

 王国軍により、隠れていた多くの子供が保護された。しかし、その中にリーナの姿はなかった。

 セヴランは思い知らされた、親を殺され、目の前にいた一人の家族すら守ることが出来なかった己の無力さ、力がなければ生きることさえできないという不条理な世界。


「俺に、力さえ……守れる力さえあれば!」


 セヴランは力を求めた、目の前の人を守りたかった。そして、力なき少年は力ある少年になるため、長きにわたる修行に身をおくのであった。

どうも、作者の蒼月です。

セヴランの過去はうまく伝わったでしょうか?

家族を失い、そして人を守る為の力を求めたセヴラン。彼は今後どのような修行に身を置くのか、その話はかなり先になりそうですね

次は世界観の説明になりそうですね

次も読んでいただけると嬉しいです。

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