第1話 授業中にて
初めて書きます。分かりにくいと思いますが、暖かく見守って下さい。
「……今日もいい天気だな」
そう呟いた少年は窓の外を見ていた。たしかにその日は朝から快晴で雲一つなく晴れわたっていた。
「何、今更言ってんだよ晶。もう5時間目だぞ」
一人ごとに返答があったので、思わず振り向いたら少年と同じ部活の友人が呆れたような目で自分を見ているのに気づき、苦笑いしてしまった。
「聞こえてたか?東」
「あたりまえだ馬鹿晶」
「馬鹿はひどくないか?」
「授業中に外見てるやつが何言ってんだよ、あかりちゃんに怒られるぞ」
「授業中ずっと本読んでるやつに言われたかないね」
そう晶が返すと東は、心外だと言わんばかりに言い返してきた。
「これは小説だ」
「あぁ、この前言ってたのか?」
そう晶が返すと、嬉しそうに東は。
「あぁ、そうなんだよ!、聞いてくれよ晶!。この小説はな………」
やっちまった。そう思いながら晶は友人が今読んでる小説の感想を熱弁するのを適当に返事しながら考えていた。
東が今読んでる小説は、高校が舞台のスポ根小説なのだ。
運動大好きの東は、このシリーズが大好きで毎回買っては読んで、感想を自分に言ってくるのだ。
「おい、聞いてんのかよ東?」
おっと、考えごとをして返事をし忘れてた。
「悪い悪い。で、なんの話だっけか?」
「お前ってやつは……」
は〜、とため息を吐きだす東、そう二人で話していると。
「東君、佐々木君後ろの席だからって話してると先生に怒られちゃうよ」
そう注意をしてきたのは、晶の右隣の席の同級生木下だ。
「悪い木下」
「ごめんね、さくらちゃん」
ちなみに、先に謝ったのが俺で、後から謝ったのがのが東だ、東は何かと女子は名前で呼ぶクセがある。
そう二人で謝ると、ダメだよ〜、っといいながらニコニコと笑っている。
木下は、垂れ目で可愛らしい顔立ちで、さらに髪をツインテールにしているので、幼い様に見える。まあ、身体も幼児体型なので、ツインテールは似合っているのだが。
「で、なんの話してたの?」
と木下も会話に入ってきた。好奇心旺盛の彼女はどんな話をしていたのか、気になるようだ。ますます子供っぽいな。
そんな事を考えていたのが、ばれたのか、木下はこっちを向いて頬を膨らませながら。
「佐々木君今なんか馬鹿にしたでしょ」
と言ってきた。鋭いなと思いながら。
「いや、木下は若いなって、思っただけだよ」
「ホントに〜?」
「本当だってば」
木下はふ〜んといいながら、ならいいやと言って、追求を諦めてくれた。一人ほっとしながら東の方に首を向けて。
「でなんの話だったんだ?」
と東に質問する。すると東は待ってましたと言わんばかりに。
「この前さ、友達にさ小説借りたんだよ。ファンタジーもの、いいかなって思って読んでさ、そしたらすごい面白かったんだよこれが。ああゆう系もいいなって話してたんだよ」
「へー、俺ゲームはするけど小説はあんまり読まないしな、そんなに良かったのか?」
「すげー面白いんだよ。今度貸してやるよ」
「そうしてくれ」
そう約束してると、木下が。
「東君どんなファンタジーなの?」
と木下が質問してきた。
「木下って小説好きなの?」
と聞くと、木下は。
「うん、好きだよ。ファンタジー系は特に」
へぇ、木下はファンタジー小説が好きなのか、やはり子供っぽいなと考えてしまうのは俺だけではないはずだ。
「さくらちゃんも、好きなんか⁉︎。
いやーお仲間がいて良かったわ、えぇとな確か異世界に勇者として召喚されて魔王を倒すって話やったはずやで」
「異世界召喚系か、いいよねー、私も魔法使ってみたいよ」
「だよなだよな。魔法いいなー」
二人が違う世界にトリップしてるのを見ながら、前の方にある、時計を見るとあと20分で授業終了のベルが鳴るところだった。
「あと20分か」
そう呟き、右手を挙げた。するとそれに先生が気づき。
「はい、佐々木君どうしましたか?」
と担任の橘先生が聞いてきた。
「すみません先生、ちょっとトイレに行きたいんですが」
そう言うと橘先生が。
「あと20分だから、我慢できない?」
と聞いてきた。
「いえ、出来れば今行きたいんですが、ダメですか?」
と頼み込んで見ると。
「はぁ、分かりました、行ってきて良いですよ。けどすぐに帰ってきて下さいね」
と許可してくれた、橘先生は厳しくない先生なので、頼めば大丈夫と思っていたので想定内だ。
そう思いながら席を立ち廊下に出ようと後ろを通り、扉に手を掛け外に出ようと足を外に踏み出した瞬間。
教室の床一面がいきなり光だした。
「なっ!」
と驚いて、後ろの教室を見てみれば他のみんなも驚いていた。
「おいおいなんだよこれ!」
「キャー‼︎」
「眩しい!」
「みなさん、落ち着いて下さい‼︎」
「先生何だよこれ!」
「助けて!」
「これ、召喚陣?異世界キター!」
とみんなも驚いていたり、悲鳴をあげていたり、中にはなんか喜んでいる奴もいたり、なかなかのパニックだ。
自分の席の近くの二人を見てみると。
「晶‼︎」
「佐々木君‼︎」
と二人が叫んでいる。
「東、木下‼︎」
自分もそう叫び、二人のところに行こうとしたら、次の瞬間光はもっと輝きだし、周りも見えないぐらいの光量になりそして、意識が飛んだ。
読んでくれてありがとうごさいます。
次も読んでくれたら嬉しいです。