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狂人は異世界で狂い踊る  作者: 夜桜
狂人街へ行く
20/25

ダンジョン探索です・壱

ダンジョンの中は何処か神秘的な雰囲気を放っていた。

ゴツゴツした岩肌には発行する苔がこびりつき、光のささない洞窟の闇をぼんやりと照らす唯一の光源となっている。

ダンジョン内の空気は外と比べてジメジメしており、何処からか流れて来る風に乗って時折人のものでない呻き声や鳴き声が洞窟に木霊して恭弥達の耳朶を叩く。


「これがダンジョンですか……なんと言うか、ガマに雰囲気が似てますね」


「ガマ……?」


「ええ、僕のいた世界の戦争は飛行機や船などで爆撃したり砲撃したりといったものでしてね。それらから逃れる時に隠れ潜む場所の事です。あ、飛行機や船って分かりますか?」


「名前くらいは……異世界人が考案したものが大国で造られているって聞いた事、ある……」


「ほう、それは面白そうですね。いつかその国にも行ってみましょう」


そんなダンジョンを恭弥とルナは二人並んで気負う事なく進む。コツンコツンと鳴る二人の足音がダンジョン内に反響し、それを聞き止めた魔物はゆっくりと恭弥達に忍び寄る。


時折張られているトラップは恭弥とルナの鋭い感覚により陽の目を見る前に全て発見され、恭弥によって解除・破壊されていく。


「む、ルナ、止まりなさい。あの別れ道の左側からそこそこ強力な魔物がやってきますよ」


「ん、私、も、補足した……」


恭弥が魔物の気配を捉え、それに備えて武器に手を添えた。ルナも普段は垂れ気味の目を今は開き、現れる魔物に意識を集中させる。


「あれ、は、グリムロック……Cランク上位程度の強さ、で、レベルは平均40代後半……でもここ、は、ダンジョンだから……もしかしたらもっと強いかも……」


現れたのは岩を無理矢理人型にしたような外見をした150センチくらいの魔物。名をグリムロックと言うらしい。それが4匹ぞろぞろと左の通路から現れた。


「ふむ、その程度ならルナにとっては雑魚同然でしょう。先程は僕が戦いましたし、アレはルナにお願いしますね」


「任せ、て……」


ルナは月夜ノ幻影を構え、一直線に走り出す。

狭い通路を一直線に駆けるルナの姿は当然隙だらけであり、グリムロック達は馬鹿正直に突っ込んで来るルナ目掛けてその厳つい豪腕を振るう。

横は壁、後ろには恭弥がいるため下がれない。こんな危機的状況に陥らされたルナは、不覚にもグリムロックの一撃を顔面に受ける事になった。


「残、念……」


しかし殴ったはずのグリムロックからしたらそれはまるでそこには元から何も無かったかのように拳がすり抜けた。そして、小さな呟きと共に4匹いたグリムロック達は、1匹残らず彼女の薙刀により細切れにされて地に伏した。


「余裕……」


「流石ですルナ、実に美しい戦い方だ。ですが、相手から血が出ないのが残念でしたね。出てたからきっととても美しかったでしょうに」


「うん……でも、久しぶりの本物の戦いだった、から……スッキリした……」


薙刀を払う動作をしながらルナは細切れとなったグリムロック達を無表情に見下ろした。すると、仄かに魔力を帯びていたグリムロックの残骸は、まるでダンジョンに吸い込まれるようにして地面へと消えていった。後に残ったのはグリムロックと同じ魔力を内包した黒曜石のような物体が4つ。


「あれは?」


「ダンジョン、は……そこで死んだ者を取り込む……ダンジョンが生み出した魔物が死んだ場合、は……素材が取れない代わり、に……魔核と呼ばれる物を落とす……それが、あれ……」


「なるほど、そう言う事でしたか」


ルナの説明を聞いた恭弥は、地面に落ちている魔核を拾い、 マジックポーチへと仕舞った。

魔物から素材が取れないとなると、これがダンジョンの魔物の討伐証明となるからだ。それに、魔核は何にでも運用出来る万能な素材であるため、常に需要が非常に高い。しかしダンジョンでしか取れないため、色んな場所で高値で取り引きされるのだ。例外を除き、大抵の場合は魔物が強力であればあるほどに魔核としての価値は高くなる。Cランクの魔物の物となると、その価値も中々の物となるので金策には丁度良い。


「さて、回収も終わりましたし先に進みましょう。ふぅむ……右と左どちらに行きましょうかね……」


恭弥は全神経をこのダンジョン内の気配を探るのに集中させた。


(右の通路には複数の横道がありますね。最奥近くには巨大な魔物の気配もあります。左の通路は横道は少ないですが、あちこちに魔物の気配がします……これは、一つの小部屋に魔物が密集しているのでしょうか?)


更に集中力を高めて深く探る。


(おや?これはどちらの道から進んでも最終的には一つの大部屋に辿り着きますね。中には強そうな魔物がいるようですし、前世の知識に照らし合わせるとそこが所謂ボス部屋でしょう。まぁ、この世界でもその常識が同じなのかは分かりませんね)


耳で音を探り、肌で空気を感じる。そして第六感とも言える恐ろしいまでの正確率を持つ直感で全てを理解する。これが恭弥の索敵技術である。その方法に基づき決めた判断はーー


「右の通路ですね。横道が多いルートですが、通路の奥の方に強力な魔物が存在しています。是非戦ってみたい」


「ん、分かった……多分、横道の先には宝箱があると思う、から……寄れる所は寄って、みよ?」


「おや?そうなんですか?」


「うん……ダンジョンが生み出すのは魔物だけじゃ、ない……人を呼び込むために貴重な道具とかも生み出す……原理は不明、だけど……ダンジョンでしか入手出来ない道具や装備も、ある……」


「それは夢が膨らみますね。では、行き止まりが近い横道には寄ってみましょう。掘り出し物があるかもしれません」


そう言って意気揚々と歩き出す恭弥。そして彼の後を追って歩くルナ。二人がこのダンジョンの真の危険に遭遇するのはこの数時間後の事であった。


***


ダンジョンに突入してから約3時間が過ぎた。恭弥とルナは現れる敵を一瞬で斬り捨て、落ちる魔核をどんどん回収して行く。

行き止まりが近い横道を見つけては探索をし、発見した宝箱の数は優に10個は越えた。しかし奥に行くにつれて魔物の襲撃も多くなってき、流石の恭弥とルナでものんびりと宝箱を開けている暇が無かった。


「ルナ、愉快な事になりました。囲まれていますよ」


「うん、分かってる……たくさんの殺気があちこちから向けられてる、から……これが愉快?」


ここは左右が広くなっている通路で、壁の上には幾つもの横穴が空いている。そこからは獲物に飢えた無数の魔物達が恭弥達を見下ろしていた。


「愉快ですよ。だってこんなたくさんの殺意を一身に受けるなんて素敵じゃありません?

まぁ、このダンジョンがどれだけ深いか分かりませんし、残念ですがここは無駄な体力を使わないように一気に殺ってしまいましょう」


そう言って恭弥が取り出したのは吸血の薔薇棘呪槍(ローゼンブラッド)


「ふむ、認識出来る範囲にいるのは30体程度ですね……。その内血を吸えそうな魔物の数は半分くらいですか……まぁいいでしょう」


恭弥は槍を地面に突き立て、魔力を込める。


「《呪薔薇の庭園(ローゼンガーデン)》」


瞬間、恭弥が認識している範囲にいた魔物達は一斉に現れた薔薇の刃によってその全身を貫かれ、横穴から力尽きて落下する。


「あ、これじゃあ、此方に落ちた物はともかく、向こうで力尽きて落ちた魔物の魔核は取れませんね……風属性の魔法でどうにか出来ませんかね?」


「魔核を飛ばせる程の風量、を、出せれば……取れる、と思う……」


「ほう、なら早速やってみましょう」


ルナの助言に頷きを見せた恭弥がくるりと手を一振りさせると、魔核が取り残されていた横穴に竜巻がおこる。


竜巻に巻き込まれた魔核がパラパラと飛ばされ、恭弥達の足元に降り積もる。役目を果たした竜巻はやがて小さくなっていき、最終的にはピュンと言う小さな音とともに消え去った。


「うん、上手く行きましたね」


「流石……」


恭弥とルナは落ちてきた魔核を回収すると、再び魔物達が集まって来る前にさっさと移動する事にした。


***


ダンジョンの攻略を始め、そろそろ4時間が経とうとしていた。時間的にはそろそろお昼を過ぎた頃だろう。

世間の人々がお昼の準備にかかり切りになっている頃、恭弥とルナはダンジョン内で厄介な事になっていた。


「これはキツイですね……」


「うん……こいつ、この階層のボス……?」


「グオオオオオン!!」


二人の目の前にいるのは全長15メートルあまりの巨大な蜥蜴のような魔物。この魔物の名をバジリスクと言った。


ーーーーーーーーーー

バジリスク


LV:183


HP:3323/3625

MP:1762/2062


STR:3228

DEF:2753

SPD:2693

INT:1888

MND:1515


パッシブスキル

魔力操作

土属性適性

闇属性適性

自動回復

状態異常耐性

野生


スキル

石化の邪眼

岩石魔法

暗闇魔法

自己再生

緊急離脱


称号

【階層の処刑人】

ーーーーーーーーーー


「残念ながら、この魔物はボスじゃないようですね……称号が【階層の処刑人】です」


「これ、で……?」


恭弥とルナの額に一筋の汗が浮かぶ。恭弥に至ってはこの世界に来て初めての脅威と言っても過言で無いだろう。


「ッ!?来ますよルナ!僕はともかくルナは絶対に目を見ては行けません!」


「分かって、る……!」


恭弥達がこうも追い込まれているのはバジリスクが持つ石化の邪眼と言うスキルの所為だ。

石化の邪眼はその名の通り、目を合わせた者を問答無用で石化させてしまう恐ろしいスキルで、しかも要求される耐性値が非常に高い。状態異常無効を持つ恭弥には効果を及ぼさないが、それを持たないルナには非常に危険な効果を発揮する。


「ほんと、厄介ですね……」


だがそれだけではここまでの脅威とはならない。ステータスだけを見比べれば恭弥単独でも十分に渡り合えるからだ。ようは、ルナをバジリスクの注意が向き辛い後方に待機させて恭弥が戦えば良い。だがそれを許さないのがバジリスクが石化の邪眼以外に持つスキルの二つ緊急離脱と自己再生、そしてパッシブスキル自動回復である。


緊急離脱とは、攻撃を受ける際に発動させる事でHPを全体の1割消費する事でダメージを最小限に抑えると言う反則に近い回避を実現させるスキルである。バジリスクはそれに加えて自動回復と自己再生で常にHPを回復させている。


確かにステータスや実力だけを見れば恭弥だけでも戦える事は戦えるのだ。しかし、与えられる決定打が明らかに足りない。

幾ら恭弥が急所を狙って攻撃を仕掛けても、緊急離脱により自分ダメージを最小限に抑えられてしまい、その与えたダメージすらも自動回復や自己再生であっさりと回復されてしまい、結果としてダメージと言うダメージを与えられない。バジリスクの高いHPを削り切るには恭弥の攻撃に加えてのルナの攻撃が必須なのだ。しかしそのルナが石化の邪眼で自由に動けないとなると、やはり恭弥が一人で注意を引かねばならない。その堂々巡りが今の現状となっている。


「ふぅ、厄介ですね……」


「バジリスク、めんどくさい……」


一般的なバジリスクは強さの階級で言うとB級上位〜A三級程度。しかし、この個体は能力に恵まれており、他のバジリスクとは比べ物にならないくらい強くなっていた。特異個体でも無いと言うのにこれは、正直反則級である。


「グオオオオオ!!」


咆哮と共に放たれる岩を含んだブレス。広範囲に広がるこの攻撃は、そんな広さの無いこの部屋全体を覆い尽くす。


「やれやれ、これは骨が折れる」


恭弥は片手に構えた妖刀・血時雨を地面に突き刺し、両手の掌をパンッと合わせ、魔法を唱える。


「《超堅岩壁圧(グランドウォール・プレス)》」


透き通るような声で紡がれる魔法の名に呼応し、恭弥の左右から周りを囲む岩壁よりも僅かに黒い色合いをした岩が現れ、ゴゴゴッと言う低い音と共にまるで門を閉じるかのように恭弥とブレスの間を遮る。


一瞬遅れて訪れる轟音。ブレスと壁がぶつかり合う音は、振動となってダンジョン内を揺らす。


「ルナ、これが解除されたら石化の邪眼を発動される前にバジリスクを幻術に嵌めて下さい。そうすれば少なくとも邪眼の効果は半減させられます」


「分かっ、た……」


恭弥の指示に頷くルナ。響く轟音はまるでそれに答えるように消え失せ、辺りに僅かな静寂が訪れる。恭弥の《超堅岩壁圧(グランドウォール・プレス)》は見事バジリスクのブレスを防いでみせた。


「今です!」


恭弥が合図するより早く、ルナは飛び出した。

一つ跳躍して恭弥の残した岩壁を踏み越え、土煙に包まれている部屋をバジリスクの気配を頼りに飛び込み、バジリスクの巨大な影を発見するや薙刀を振り払いバジリスクの片目を切り裂く。


「《夢幻への誘い(パラダイス・ミラージュ)》……」


「グオオ!?」


唐突に片目を切り裂かれたバジリスクは、いきなりのダメージに驚き身を竦めた。だがそれだけではダメージとはなり得ず、即座に回復が始まってしまう。しかし今回はその追い討ちで、怯んだ拍子に出来た精神の揺らぎを突いてルナが幻術をかける。


「素晴らしい!こんな巨大な魔物でも嵌められるものなんですね!」


恭弥は狂気の笑みを浮かべバジリスクの頭を越えて跳躍する。手に持つのは吸血の薔薇棘呪槍(ローゼンブラッド)


「さぁ!貴方の美しい血で花を咲かせてみせて下さい!」


無造作に振るわれた太い腕を回避し、逆さまの姿勢になり、それを足場に体を捻ってバジリスクの脳天目掛けて槍を突き出す。


「グオオオオオ!!??」


バジリスクはまだ幻術にかかっておりまともに思考出来ていない。よって、パッシブスキルでは無い緊急離脱が発動される事は無い。


一際大きな咆哮をあげて仰け反るバジリスクの脳天には深々と突き刺さった吸血の薔薇棘呪槍(ローゼンブラッド)と、それをしっかり掴む恭弥。


「咲き乱れなさい!《呪薔薇の庭園(ローゼンガーデン)》!」


瞬間、バジリスクの巨大な体から夥しいまでの血液と早くも完全に赤く染まっている薔薇の刃が現れた。

薔薇の刃は現れるそばから恭弥の持つ吸血の薔薇棘呪槍(ローゼンブラッド)に吸収されて行き、それでも尚止まらぬ鮮血が恭弥達に降り注ぐ。しかしそれでもまだバジリスクの命は尽きない。


「《暗黒魔斬(イビルスラッシュ)》……」


ルナが追撃に暗黒魔法を纏った薙刀で手足を切り飛ばす。唐突に失った手足に体制を崩したバジリスクは、ズズンと鈍い音を立てて地面に倒れこんだ。


「良い判断ですルナ《嵐斬一閃》」


吸収の薔薇棘呪槍(ローゼンブラッド)をそのままに、武器を血時雨に持ち替えた恭弥は、風魔法を練り込んだ血時雨でバジリスクの首を一閃した。そして、その傷口に触れ血液操作によりバジリスクの体から血液の操作権を奪い去ると、それらを球体状にまとめて行き、徐々に球体を形成して行く血の中に血時雨を差し込んだ。


差し込むそばからぐんぐんとその血を取り込んで行く血時雨。

血時雨が血を吸うたびに刀身が脈打ち、確実に強くなっていくのがリアルタイムに分かる。

やがて血を吸い終わる頃にはバジリスクの血液と共にHPも底を尽き、ついにはその姿を巨大な魔核へと変えた。同時に恭弥の脳内に流れるレベルアップを告げる機械音声が響き、それにより完全にバジリスクが死んだ事を裏付けた。


「ふぅ、疲れました。幻術が上手い具合に効きましたね。お手柄ですよルナ」


「でしょ……?」


いつも通りの調子に戻った恭弥が血時雨を眺めながら言うと、ルナは身体を反らし、無い胸を強調させるような姿勢でそう答える。恭弥は苦笑気味だ。その時、コロリとバジリスクの巨大な魔核が地面に落下した。


「これがバジリスクの魔核ですか……?随分と大きいですねぇ。他の魔物が落とした魔核の3〜4倍はあるんじゃないですか?」


「魔核、は……魔物が強ければ強い程、大きく、純度が高くなる……これ、は、普通のバジリスクとは比較にならない、くらい、大きくて純度が高い……」


恭弥は落ちた魔核を拾うと、マジックポーチに放り込みながら呟くと、ルナが無表情に告げた。それをふーんと聞いていると、唐突に先程までバジリスクがいた場所に豪勢な装飾が施された大きな宝箱が現れた。


「ん?何か出て来ましたけど、なんですかあの宝箱は?」


「多分、バジリスクを倒した報酬みたい、な……?」


「さっきまで殺していた魔物からはこんなの出ませんでしたよ?」


「ダンジョン、は……特殊な能力を持つ通常より強力な魔物がいる……さっきのバジリスクがまさにそう……あそこまで強力なのは異常だと思う、けど……でも、そう言った魔物を倒す、と、報酬に強力な道具や装備が手に入る……と、聞いた事がある……」


「へぇ、随分と親切な設計なんですねダンジョンって言うのは」


現れた巨大な宝箱を弄りながら答える恭弥。

バジリスクを恐れていたのか、辺りに他の魔物の気配は無く、不気味なほどの静寂が辺りに満ちている。


「ふむ、せっかくですしここで今までの宝箱を開けてみましょうか。どうやらバジリスクの縄張りだったこの場所には他の魔物は近寄って来ないみたいですし」


「開ける……ワクワク……」


ルナも乗り気であるらしく、既に恭弥の横にしゃがみ込んで(無表情に変わりは無いが)キラキラした瞳で宝箱をみている。


「まぁ、罠とか無いかの確認しながらですからのんびりとやりましょう。魔物が近付く気配があったらそれはその時として対応しましょう」


「うん……」


そう言って恭弥はマジックポーチから回収した宝箱を全て取り出した。いくつもの宝箱がマジックポーチから現れ、その数はなんと14個。これに今しがた現れたバジリスクの宝箱を合わせると何と総数15個にもなる。


「こう見ると圧巻の一言ですね。ちょっと僕らしくもなくワクワクしちゃってます」


「私、も……ワクワク、してる。ダンジョンの事は知ってた、けど……実際に入ったのは初めて、だったから……」


恭弥とルナは互いに顔を見合わせると、思わず笑い合う。


「では、早速開けましょうか。何が入ってるんでしょうね」


一つの宝箱から罠の有無を確認した恭弥は、その手を宝箱の蓋へと伸ばす。果たしてそこに入っていたものはーーーー……

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