表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狂人は異世界で狂い踊る  作者: 夜桜
狂人よ異世界へ
2/25

狂人、異世界へ飛ぶ

コロン♪


小気味の良い音を立てて出た玉の色は、金でも銀でも黒でも無く、眩いばかりの虹色だった。


「虹色……?」


「なっ!?虹色じゃと!?」


男は説明になかったその玉の色に思わず首を傾げる。

そんな男の反応とは裏腹に老人は驚きのあまり大きく口を開き、あんぐりとしている。その額には薄っすらと汗が滲んでおり、この事実が神である老人にとっても受け入れ難い事であると雄弁に物語っている。


「あの、虹色ってなんでしょうか?見た感じですと金より良さ気なのですが……」


「あ、ああ、そうじゃな……まさかそれを引くとはな……これはたまげたわい」


老人は何回か深呼吸を行うような動作を取った後、徐に口を開いた。


「虹色の玉はこのクジの中にたった一つだけ入っておる玉でな、これが出る確率は僅か100億分の1と言う凄く低い確率なのじゃ。ワシも長い年月この仕事をやってきたが、初めて見たわい」


老人は僅かに興奮した口調でそう説明した。男はそんな老人の説明に対し終始興味無さげであったが、興奮している老人はそれに気付かない。


「そうだったんですか、それは嬉しいですね。では早速特典の方を頂けますでしょうか?」


「う、うむ、そうじゃな。すまぬの、ワシとした事が年甲斐も無くはしゃいでしまったわい」


男の冷静な一言で現実に引き戻された老人は誤魔化す意味も込めて一つ咳払いをした。


「ではこれが特典じゃ、中身はワシも知らないので後で自分で確認しておくのじゃぞ」


老人がそう言うと、男の中に何か虹色に光り輝く物が入って来た。男はその光景を黙って見つめ、やがて光が全て自分の中に入ったのを確認すると無表情のまま老人の方へと顔を上げた。


「では最後に向こうの世界の説明じゃ。向こうの世界の名はアースと言い、お主等の世界で言う剣と魔法の世界じゃ。あの世界には魔物と言う存在がおり、全ての生物にレベルと言う概念が存在しておる。お主はその世界の何処かにその肉体事転生させられる。それが何処だかはワシにも分からんが、少なくとも人が生きられる場所ではあるから安心するが良い」


老人の説明に男は頷き、理解の意を示す。


「では早速送ろう。向こうで目覚めたら先ずはステータスオープンと心で念じるのじゃ。すると先程お主が獲得した特典等お主のステータスを確認出来るからの」


「分かりました。色々ありがとうございました」


男は老人に礼を言って頭を下げる。


「うむ、お主の第二の人生が良い物であるように願っておるぞ。そうじゃ、最後にお主の名を聞いておこう」


老人がそう言った瞬間、男の足元に巨大な魔法陣が現れ、そこから出た光に男が飲み込まれる。そこから僅かに見えた顔は整った容姿にべったりと貼り付けられた凶悪な笑みだった。


「本当に色々ありがとうございました。僕の名は狂井恭弥と言います」


「なっ、待て!?狂井恭弥じゃと!お主まさかーー」


名前を聞いた老人が血相を変えて叫ぶが、老人がその全てを言い切る前に男ーー狂井恭弥の姿は魔法陣ごと消えて無くなっていた。残された神と名乗った老人は魔法陣があった場所で膝を付き、顔面蒼白で頭を抱えていた。


「何て事じゃ……まさかよりにもよって地球にて人類史上最悪の狂人と呼ばれた男を転生させてしまうとは……送り出してしまった以上ワシにはもうどうする事も出来ん……世界が……アースが血に染まる……」


ー狂井恭弥ー

20年と言う短い期間内で何千人もの人間を殺害し、各国の警察や軍をも相手取り長年世界を震撼させ続けた人類史上最悪の狂人。

彼が今、新たな生を受けて異世界へと舞い降りた……

恭弥の謎は後々解いて行きます

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ