表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

Run away! 2

休日。

作者: 貴幸

二月だから!!!(じゃあ2月2日か2月22日に投稿しろって?うるさい!)

「時人〜今日どっか行こう〜」


と言いながらベッドから落とされる。


「…何処に」


と言いながら布団に入る。

しまった、パンツしかはいてない、寒い。


「そうだなぁ…」



「あれ?雪ちゃん…」


「あ、おはよう。」


そういえば今まで寝てたはずだ。

何故朝から目の前に雪ちゃんがいる。


「まさか夢?」


雪ちゃんの頬をつねる。


「いたっ、いたいっ!」


夢なら何しても良いな…


右手で顎をあげ顔に近づく。


「えっ、時人、えっ?」




平手打ちをくらった。




「なんだ、REAL(現実)か…」


「REALか…じゃない!!!」


「いや…だって朝から雪ちゃんがいるって夢のような事じゃない…」


なんか頭が働かない。

寝起きだからだろうか。


「知らないよ…ほら起きて。」


あぁそうか合鍵を渡したんだっけ…


「雪ちゃんのご飯が食べたいです…」


それと同時にお腹がなった。


「うん、わかったから」


今日はそういえば土曜日だ。





ご飯を食べ終わり、ようやく脳がちゃんと働き始めた。


「うん、じゃあ何処いこっか!」


「時人が行きたい場所。」


少し考えたが特に何もない。


「あ、猫カフェとかは」


最近近くに猫カフェができた。

猫は好きだし行きたいけどさすがに男Onlyで行くのはキモいと思っていたところだ。


「良いね、いこう!の前に服きなさい!」


そういって蹴られた。

彼女候補の前でパンツ一丁で照れられる事もなく蹴られるのか…


「雪ちゃんってさ、この格好見て照れたりしないの?」


「え、だってもやしだし…」


それは僕の身体に魅力がないと言いたいんだろうか。


「酷い…」


「何か私と全く違う事を想像している気がしてしょうがないんだけど。」


確か初めて見た時だって照れるというよりはドン引いていたし…


「どうせ僕はもやしなんだ…」


「わかってるなら服きなよ」


「雪ちゃんってどうしたら僕にドキドキしてくれるのかな…」


「え?」


何言ってるの?という顔で見られる。

少し思った事を口にだしすぎたかもしれない。


「時人が勘違いしてるから言うけどさ、その格好でいられたら距離はなしてないと安心しない…し時人にはあの…ドキドキしてる…から、はい。」


素直に全部言われると照れる。

確かにいつもより距離が遠い気がする。


少し近づいて見た。


「少しの量じゃない!近すぎ!!」


雪は目の前だ。


「す、少しだから。」


ちょっと意地悪に雪の着ているカーディガンの中から肩をつかむ。


「ひっ!」


しかし頭の中に猫カフェの文字が浮かんだ。

今日は外に行くんだ、行く前から何かしようとしてどうする。

すぐに手をはなす。


「服着てきます。」


雪ちゃんの戸惑う顔が見れたから満足。と自分に言い聞かせよう。









「雪ちゃんは猫カフェとかいったことある?」


「ない、からちょっと緊張する。」


「猫可愛いよ〜」


さりげなく手をつなぐ。

嫌がる事はなく握り返してくれた。


「手、あったかい。」


「え?」


まさか言われるとは思わなくてびっくりした。


信号はまだ赤だ。


「雪ちゃんの手もあったかいよ。」


あらたまって言うのも恥ずかしい。


「つなぎ方、これで良いの?」


自然と恋人繋ぎになっていた。

無意識だったから指摘されるのは恥ずかしい。


「嫌なら離すけど。」


「離さないで。」


いつもより少し強く、握った。



今思えばこれはデートみたいなものなのではないだろうか。

そう思うと少し緊張してくる。

外が寒くなってから家で遊ぶ事が多かったため、何処か出かけるのは久しぶりかもしれない。


「雪ちゃん、寒くない?」


「うん、寒くないよ。」


「寒かったら腕組んで良いから…」


顔を見て言ったら恥ずかしさで死ぬのではないだろうか、というくらい恥ずかしいセリフだ、これ。


「じゃ、じゃあ…」


腕に手を回すと少し体重をかけてきた。

…胸が当たってる。


「時人の腕折れそう。」


あたたかいよりそっちが、先なのか。


「距離、近いね。」


「…そうだね。」


本当に恋人どうしみたいだ。










「うわああ猫たくさんいる…!!」


目を輝かせながら言う仕草がもう可愛い…


恋人パックという割引きが入るものをとったのは内緒にしておこう。

だってお金安くなるから!!

足元に人に懐くよう洗練された猫達が群がってくる。

とりあえずそこらへんの座椅子というかクッションみたいなのにすわった。


三匹くらいが足元やら何やらに絡んでくる。

可愛い…


「雪ちゃんどう?」


雪ちゃんの方をふとみると六七匹が戯れていた。


「あ、あの…めっちゃ懐かれてるの…これ…」


戸惑いながらも猫を撫でたりしている。可愛い。


猫と雪ちゃんという光景が凄まじく俺得だ。


「きゃっ!や、やめてって…」


猫に舌で舐められたり服の中に入られたりしている。

しかし雪ちゃんは笑顔だ。


「猫になりたい…」


舌で舐めたり服の中に手を入れたりするのか…

妄想して少し気分が良くなった。


「と、時人、助けてっ」


何故か猫にめちゃくちゃ気に入られてる雪ちゃんがこっちに近づいてきた。


同じくクッションみたいなものに座る。


「たくさん猫いるね〜」


「うん、可愛い。猫欲しい。」


「じゃ大人になったら買おうか。」


「…」


「…」


「僕も猫好きだから!」


「そうだね…」


ど、どれにたいしてそうだねって言ったんだ。


「時人猫好きなんだぁ…」


「うん、好き。」


犬より猫派だ。

雪ちゃんは猫を抱きこっちを向いた。



「にゃ、にゃぁ…」



「…………。」



可愛すぎて時が止まったかと思うレベルで体が固まる。

やばい、萌える。


「なんか言ってよバカ!」


「あっ…そのっ…もう一回言ってくれませんか…」


録音したい。


「もう絶対言わない!!!」


「そこをなんとか!」


「やだよバカ!!恥ずかしいもん!」


雪ちゃんの顔は真っ赤だ。


「言わないとくすぐりの刑!」


「何その子供じみた嫌がらせ!!」


ただたんに雪ちゃんのくすぐった時の反応がみたいだけ。


「言えって言われたって嫌なんだっ…あっ、ちょっと…やっ、いやっ…!」


…エロい。

猫が見ているにも関わらず自分は何をやっているんだ…


「わかっ、ひぁっ、わかった言うから!!!」


手が止まる。


「語尾ににゃをつけてください」


「難易度上がってるんだけど!」


「にゃ。をつけてください。」


「あんまり、続かせないで…にゃ。」


顔を手で覆う。

もう死んでも良いかもしれない。


「可愛い!!!!!」


つい本音がでる。


「もう恥ずかしい…死にたい…」


そう言いながら胸に抱きついてきた。

お、おぉ…


「家帰ったら何か一つするから許してよ…」


「う、うんっ、わかったよ、うん。」







「カップル割引きとなりまーす」


「!?」


「はーい」









「カップル割引きなんて聞いてないんですけど…」


「いやこっちの方が安いから。」


怒ってるのかな…

何も言わないでそれにしたのは悪かったと思ってるけど。


「カップル席の方が猫たくさんいたしさ…」


許してくれないかな。

それなら付き合えよって言ってくるかな。


「そう…」


「意外。」


「え?」


「もう少し怒ってくるかなって」


「別にいいよ。」


「…付き合う?」


「…」


ノーコメント。


ちょっとその場のノリで言ってみただけだ。



「まだ良いや…」



「まだ、ね。」




行きにしていた腕組みは帰りはしなかった。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 途中で付き合わずに距離を置いて物語を閉めたのが面白かったです。ありがちな展開の斜め上を行ったというか、余韻を味あわせてくれるような。これから二人はどうなるのか、といったイメージを残してて、勉…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ