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雷鳴! 剣撃の鉄槌


大河イグナの中央・・赤く染まる水流の中、ただ一人立ち向かうは“海の民”の族長・レイガン。


そして、その彼の眼前に立ちはだかるは、人型魔導兵器“シンルーラ”の集団、約1000体。 鉄塊のごとき巨体に、魔導砲などを備えた最凶のゴーレム。

一体でベテラン兵士・10名に匹敵するという圧倒的な戦闘力


ただし、最初の一手・レイガンによる会心の一撃によって、一体は撃破されたが、その後・・”シンルーラ”たちによる連携攻撃によって、動きが封じ込まれている。


しかも、始めの初手によって、彼の大剣が刃こぼれし、ヒビが走り、武器としての性能は著しく低下しているのだ。

それでも、レイガンは一歩も引かず、いや、後退しながらも一切の攻撃を受けず、すべてを回避していた。

その身に傷ひとつなく、ただ静かに、そして鋭く敵の動きを見極めていた。





その様子を対岸から眺める魔導士ラトナ。 彼女は驚愕する。

あの者が見せる、異常なまでの回避能力と戦闘能力・・常識を超えていた。


「巨漢でありながら、あの動き! まるで踊るかのような回避能力。奴は・・やばい! いずれ帝国の禍根となる」


そう呟いたラトナの瞳に、殺意が宿った。


「私が自ら・・仕留める!」


その言葉と同時に、彼女の指が宙を舞い、素早く印を刻む。

何もなかった空間に、雷光を帯びた魔法文字が浮かび上がったのだ。



それはラトナが得意とする魔導の一つ・・・"剣撃の鉄槌"


剣の形をした魔力の塊が、天から飛来する範囲攻撃・・

だが今回の"剣撃"は、ひと味違っていた。


ラトナが術式に僅かなアレンジを加えたことで、その性質は大きく変化した。

そう、その名にふさわしく・・”剣撃”は、実体の形を成して天より降り注ぐ物理弾頭となったのである。

ゆえに 前回のような爆発はしない。標的のみを狙い撃つ精密な魔導攻撃というわけなのだ。

もちろん周囲への被害は一切なし。


それは・・ラトナにとって重要なことであった。

人型魔導兵器“シンルーラ”たちを傷つけないように、彼女は配慮したのだ。

ラトナにとって、彼らは単なる兵器ではない。 この帝国をともに築き上げた・・かけがえのない戦友なのだ。


「よしいけー! 剣撃の鉄槌」


ラトナの叫びとともに、雷鳴が轟き、空気が震える。

閃光とともに召喚した剣撃が、天空から一直線となって地上へと突き進むのだ!

もちろん、その標的は族長レイガン!  この一撃で・・すべてを終わらせる。


だが、レイガンは動いた。

戦士でありながら、彼は周囲に魔導の光を展開し始めたのだ。

それは防御魔導。 上空から迫る危機に、気づいたのか・・!?


そして次の瞬間・・"剣撃の鉄槌"は、魔導の障壁に弾かれ・・粉々に粉砕されたのである。

普通なら・・・人間など木っ端みじんにできるはずの破壊力!

それを防御できるというならば・・かなりの魔導力を有しているに違いない。


「やっかいな! これほどとは・・」


ラトナの瞳に、驚愕と怒りが閃いた。

戦士としての力だけではない。 レイガンは、魔導の技まで備えていたのだ。


「面白い! ならば数の勝負だ! 何発でも撃ち込んでやる」


そう叫ぶや否や、ラトナは腕を振り上げ、怒涛の速さで印を結ぶ。

放つは、"剣撃の鉄槌"の連続連射技


ズドッドドドッッッォォォォ


天空を裂き、無数の剣撃が雨のように降り注ぐ。

だが、その召喚は数に頼ったもの・・・精密な制御は効かず、命中率は大きく低下してしまう。

それでもラトナは、圧倒的な数で敵を押し潰す算段。

数撃ちゃ当たるのだ!


「いけ! いけ! いけ! やれ」



ラトナはレイガンを見据えて叫んだ。

剣で貫かれる姿を期待しながら・・・



だがこの時・・彼女は油断していた。

まるで安全な場所から命がけの戦いを眺めているかのように。

自分だけは傷つかないと、どこかで思い込んでいたのだ。


-- -- -- -- -- --


しかし、奴・・・レイガンは予想を裏切った。

放たれた剣撃のすべてを、寸前でかわしながら、後ろに逃げず・・それどころか・・突進してきたのだ。



確かに・・レイガンの周囲には、シンルーラたちがいた。

だが、ラトナの剣撃を避けるため、彼らはわずかに距離を取っていたのだ。


そう、その隙をレイガンは見逃さない!

シンルーラたちの隙間を、素早くすり抜け・・大河を渡り切ったのである。


「いける! いけるぞ!」




レイガンの目的はただひとつ。

これら魔導攻撃の元凶にして、シンルーラたちを操る者。

その主と思われる人物の、抹殺である。


そして今、その人物が、眼前に姿を現した。

だが、レイガンは思わず戸惑う。一瞬の躊躇。


背が低い! 華奢だ! いや・・まだ年端もいかない少女!


しかし、レイガンは歴戦の戦士・・・彼の勘が、鋭く警鐘を鳴らす。

"見た目でだまされるな! あれは・・・化け物だ!"


"ゴクリ"・・唾を飲み込んだ。

相手は少女の皮をかぶった悪鬼、最強の敵!

必ず倒さなければならない!

レイガンは両手に巨大剣を構え、横なぎの一撃で、勝負を決めにかかった。




一方ラトナも、目前に迫る巨漢・・厳つい男! レイガンの姿を捉え、 慌てて迎撃の構えを取る。

そう、かなりの殺意を注がれた! 背中に冷たい汗が流れる。


これほどの威圧! 危機感・・・・

それは二百年前、父であり初代皇帝ルドラシイムと共に戦った・・あの戦役以来のこと。


「まずい……油断した!」





この対岸にはラトナがひとり。護衛がいないのだ。

そう、頼るべきシンルーラたちは、大河のど真ん中におり・・すぐに引っ返してこれないだろう。


ラトナ VS レイガン の戦いが始まる。



--------------------  To Be Continued ヾ(^Д^ヾ)



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