ケットシーにカレーを 9
キャベツの臭み消しに、炒める時にコショウと摺り下ろしたショウガを加える事でかなり抑える事が出来きた。
コクを出すのに隠し味として蜂蜜を入れ、リンゴを摺り下ろして入れるという定番の他にウミューハが、
「これ使え」
と出してきた白いクリーム状のモノを入れてみる。
「これ、なんですか?」
渡されたクリームをカレーに入れながら聞く。
「バターと小麦粉を混ぜた奴だ。コクととろみを出したい時に使ってるんだけどよ、これにもどうかなと思ってよ」
ブールマニエと言う、フランス料理でスープにコクを出す為に使われている食材と同じ製法だ。
生前は、フランス料理なんかに縁のない生活をしていた武茶士が知る由も無し。
「どうよ?」
鍋の火を止め、ご飯の上にカレーをかけて武茶士は食べる。
「美味しい、さっきのあれでかなりコクも出ましたよ」
武茶士の言葉を聞いて、
「そうだろう、そうだろう。俺の秘蔵の奴だからな」
嬉しそうに笑うウミューハ。
「俺にも一口食わせろ」
武茶士の食べている皿に、さじを突っ込みすくって食べる。
「かなりコクが出たじゃねえか」
口にして満足げ笑う。
「ただ、辛さが物足りないというか」
蜂蜜とリンゴを加えてあるので、コクは出たが甘みが強くなってしまっていた。
子供向けにはいいかもしれないが、元のカレーの味を知っている武茶士には少し物足りなさを感じさせるのだ。
「ベースはこれでいいと思うから、後から辛さを増やせる何かが欲しいですね」
カレーハウスなどでは辛さ増しにテーブルにガラムマサラを置いてある店もあったが、ガラムマサラには猫が食べられないモノが入っている事もあるのでその手は使えない。
「辛さを後から増しか・・・ちょっと待ってろ」
ウミューハが立ち上がると、調理台でごそごそとやって粉の入った小皿を持って帰ってきた。
「ちょっとかけてみろや」
小皿を受け取り、武茶士はカレーの上に少しかけてから食べてみる。
「おっ、辛さが増した。なんですかこれ?」
目を見開いて驚く。
「はははは、唐辛子を種ごとすりつぶした奴だ」
嬉しそうに笑うウミューハ。
いわゆる一味唐辛子という奴だった。
「これでいってみますか」
「まず、所長達を呼んで試食会だな」
「そうですね」
モモエル達を呼んでの試食会が行われる事となった。
メンバーはモモエル、クッロウエル、サビエラ、ジェーン、それから方々からかき集められた若い職員達。
「俺忙しいだ、なんで俺が呼ばれた」
「そうよ、あたしだってやる事が山積みなんだから変な事で呼ばないで下さい」
ブーたれる二人を尻目にモモエルは、
「これは魔道研の資金確保の一環です、予算増えた方が嬉しいでしょ?」
と聞かれて、騒いでいた二人も、
「あの素材が欲しい・・・」
「工具の補充して・・・」
と黙ってしまう。
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