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ケットシーにカレーを 7

「始めちょろちょろ、中ぱっぱ。赤子泣いても蓋取るなと」

 カレーが焦げ付かないように時折混ぜながら、お米の火加減も見る。


 最初は弱火。


 重しを乗せた鍋の蓋の隙間から湯気が噴き出してきたので、

「火力アップ」

 強火にする。


「こっちはどうかな?」

 カレーの味見をしてみる。


「おお、なかなかカレーぽいじゃない」

 口の中にカレーの味が広がって思わずニヤける武茶士。


 ニヤけていると香ばしい香りが鼻をついた。


「お米はもういいな」

 お米の火を止め蒸らす。


 蒸らしている間も辛抱強くカレーをかき混ぜながら待ち、

「そろそろかな」

 ご飯の鍋の蓋を開け、軽く塩コショウを振ってから薄く切ったバターを並べ、再び蓋をする。


 バターが溶けるのを待ってから、蓋を開けてしゃもじでしっかりとかき混ぜた。


 かき混ぜるのは、バターを全体に馴染ませるのと共に、ご飯粒が空気に触れる事でご飯粒の表面に膜が出来て味が良くからだ。


 ただ混ぜすぎるとかえってまずくなるので、さっと混ぜるのがコツ。


 バターが全体に馴染んだので皿に盛り付け、カレーをかける。


「いただきます」

 手を合わせ、スプーンでカレーとご飯をすくい上げて口に運ぶ。


「うぉぉぉ、カレーだ。カレーだよ」

 久しぶりのカレーに感動し、涙を流す。


 だが、それも最初の一口目だけだった。


「カレーなんだけど、なんか違う」

 そう、カレーの味はするのだが記憶に残るカレーと何か違う。


「ニンニク使ってないから?それともタマネギじゃないから?」

 一気に落ち込む。


 タマネギの代わりにキャベツを入れるレシピサイトのそれを参考にして、キャベツ投入だったのだ。


 最初の感動が大きかっただけに、その落胆も大きかった。


 しばしテーブルに突っ伏していたが、

「ニンニクとタマネギは食べられないんだから仕方ないじゃない、だったらそれ無しで美味しく食べる方法があるはず」

 必死になって自分の記憶を探る。


「そうだリンゴと蜂蜜、これでコクが出せるよな・・・後はコーヒーだ。俺は隠し味に入れてたじゃないか」

 自分が隠し味に使ってたモノを思い出す。


「後は材料か、こればかりは料理人のアドバイスが欲しいな」

 料理に関してはちょっと好き程度で、造詣ぞうけいが深いわけではない。


 どこが悪いかぱっと思いつかないのだ。


「どうしよう」

 と頭を抱え込んでいると、ドアをノックする音が聞こえた。


「どうぞ」

 武茶士が声をかけて少し間を空けてドアが開く。


「料理人の方をお連れしました」

 入ってきたのはサビエラだ。


                     (Copyright2025-© 入沙界南兎いさかなんと)

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