ケットシーにカレーを 6
次の朝、約束通りに研究室は調理場として仕上がっていた。
「ありがとう」
モモエルが隊長の手を取って感謝する。
「約束したら期日に間に合わせる、それが俺たちのモットーですから」
今にも倒れそうな隊長が、ニコッと微笑む。
「これがうまくいったら、後で特別ボーナス出すわね」
「約束ですよ」
隊長はふらつく足取りで手を振りながら研究室を出て行った。
「ここを使って頂戴」
無茶士を呼び出して、出来たばかりの調理場に案内する。
「凄いですね、一晩で調理場に作り替えてしまうなんて」
あまりの速さに驚く武茶士。
「ウチの施設隊は、速さと仕事の確かさが売りですもの」
モモエルは自慢げに微笑む。
「確かに」
街中でミケラ達と鬼ごっこをした時、もの凄い勢いで櫓を組み上げていたのを思い出し、納得する。
「カレーをここで作るのはいいけど、俺一人じゃ厳しいかも。料理人の手助けが欲しいです」
ざっとしたカレーの味付けは出来ても、料理人が本職ではないので細かい調整となると厳しい。
自分一人だけで楽しむ分にはいいが、モモエルがカレーで一山当てる気満々なので手抜きは出来ないのだ。
「それは手配するわ。手配出来るまで、一人で頑張って」
モモエルが料理人の手配を約束して、部屋を出て行った。
「助っ人が来るまで、一人で頑張るか」
取り敢えず棚を見てみる。
必要なスパイスは全部揃えられていた。
調理器具や食器の類いも必要充分な品揃えなのを確認する。
昨日作ったカレー粉のレシピを思い出しながら、新たに作り直して器に移して冷ます。
冷ましている間に、野菜や肉を切る。
タマネギを使えないので野菜はキャベツ、にんじん、ジャガイモ、肉は鶏肉だ。
コクを出す為に、鶏肉は皮付きの鶏肉を選んだ。
鍋に鶏肉の皮の方を下にして並べる。
こうすると皮から油が出て、油を引く必要がなくなるし、カレーにコクが出るからだ。
肉を炒め、肉の表面の色が変わったところで野菜投入。
肉から出た旨味が野菜に充分染み込むまで炒めて、水を入れて煮込む。
「チキンカレー好きなんだ」
ホクホクの顔で鍋の野菜をかき回し、充分に火が通ったところでカレー粉投入。
そこで取り敢えず味見。
「ちょっと辛みが足りないかも」
一味唐辛子を刻んで足す。
「そろそろお米の用意しないと」
火を弱火にしてじっくりと煮込む。
お米は事前に研ぎ、水に浸けてしっかり水を吸わせてある。
土鍋に移し、水を足して火にかけた。
(Copyright2025-© 入沙界南兎)




