ケットシーにカレーを 2
「モモエルに相談してみるか」
コーラは既に倉庫で売り出している。
スパイスを使っている割りには、庶民のでも手が出る価格でだ。
つまり、魔道研にはスパイスを安く手に入れるルートがあると、武茶士は睨んでいた。
流石、元仕入担当兼営業、モノの流れを見る勘は転生しても衰えていない。
勇者騒ぎで一件で、倉庫からしばらくお休みを貰っているので魔道研に向かう。
モモエルを呼び出して貰おうと、魔道研の扉を潜ると、
「武茶士さん、今日は何の御用ですか?」
丁度、サビエラが受付の所にいた。
「モモエルに頼みたい事が有って」
サビエラに用件を伝える。
「カレーという食べ物を作りたいから、魔道研の力を借りたいですか?」
サビエラがどう返事をしていいか困って苦笑した。
武茶士の読み通り、スパイスは魔道研の伝手で安く仕入れていたのは確か。
だが、それは表に出せないルート使ってなので、迂闊には言えなかったからだ。
「モモエル様を呼んで貰えますか」
それでも受付のお姉さんに頼んでくれた。
「では、応接室に行きましょう」
サビエラの案内で応接室に向かう。
気の利いた男性ならここで手の一つも握るのだろうが、そこは奥手の武茶士とサビエラ。
黙って案内し、黙って案内される。
応接室に入り、武茶士はすすめられたので椅子に座る。
武茶士の正面に立つサビエラ。
何か話さなければとお互いに思いながら、いざ話そうとすると話題が出てこなくて焦り、思いだけが空回りする。
何か話さなければと焦りながら、ただ見つめ合うだけの二人。
初デートとかならともかく、砦ではキマシ達の取り計らいで何度かデートもしている。
それなのにこの有様では、ちょっとしっかりしろよと言いたくなるのは作者だけ?
そんな微妙な空気の中へ、モモエルがやって来た。
慌てて目を逸らす二人。
「武茶士、今日はなんの用かしら?」
モモエルは直ぐにやって来たのだ。
顔色も良い所から、今日は実験はないようだ。
「ざっと話は伺っています」
サビエラが耳打ちをする。
「カレーを作るのにスパイスを都合して欲しい?」
モモエルは少し考えてから、
「カレーって何?」
そこから説明が必要のようだ。
「成る程、香辛料を大量に使った食べ物なのね」
モモエルの言葉に頷く武茶士。
「いいわよ」
あっさり承知してくれる。
「この前のコーラが凄く評判がいいの。お陰で凄く助かっているから」
コーラは倉庫のフードコーナーだけの販売なのだが、評判が評判を呼び、今では行列が出来る程になっていた。
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