表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第二章 氷冠の再誓(ひょうかんのさいせい)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

95/165

白影の猿牙王(えんがおう)と、疾風の二人

南谷――雪崖が月光を返し、凍てつく風が吹き荒れる。


狂暴化した雪猿族シャルガは次々拘束されていったが――

突如、地面が大きく裂けた。


「……ッ!?」


灰牙狼団《Fang-Gris》の若頭ヴァルグが振り返る。


そこには――

身の丈三倍、白銀の毛が逆立ち、

背中から黒い瘴気の骨片が生えた


> 雪猿王シャルガ・ロード




が、雄叫びをあげていた。


「ガアアアァァァァ!!!」


その凶腕が振り下ろされ、

岩壁すら砕け飛ぶ。


「下がれェ!!」


ヴァルグが仲間を庇い、

衝撃波に吹き飛ばされながらも踏み留まる。


(――まずい。あれはもう、仲間などではない)


牙を剥き、獣人としての本能が叫ぶ。


> 《ここで食い止めねば、谷が滅ぶ!》




雪猿王が跳躍し、

ヴァルグ目がけて影の爪を振り下ろす――!


その瞬間。


――パァン!!!


眩い光矢が放たれ、

影の爪ごと吹き飛ばす。


「……え?」


ヴァルグが見たのは――

雪煙を切り裂いて現れた二人組。





「おっそーいおっそーい!

 その大きさで俊敏タイプとか、バランスブレイカーすぎっ!」


軽口交じりの声。

銀の短髪を揺らし、槍を肩に抱えた女が立つ。


その胸には羽根型のピンバッジ――

七星騎士団の紋章(暁星ではない)

しかしマントでほとんど隠している。


「師匠!早くしないと次の村にも被害が――!」


「師匠じゃないって言ってるでしょ?

 “マスター” と呼びなさい、カイルくん!」


「はっ!了解です師匠!!」


「マスターって言えっつってんの!!」


(どっちでもいいだろ……)

と獣人たち全員が思った。



---


ヴァルグが警戒を強める。


「人間……何者だ?」


女騎士は片目をつぶり、明るく笑った。


「ただの可憐で優秀な旅の槍使いだよっ♡

 まぁ――影を追っててね。」


カイルも胸を張る。


「俺はカイル!

 師匠と一緒に、瘴気を祓う旅を――」


「だからマスターって言えぇッ!!!」


「ま、マスターぁあああ!!」


ヴァルグは思った。


> (敵ではなさそうだ……たぶん)





---


雪猿王が咆哮しながら突進してくる。


女騎士は槍を構え、楽しげに叫んだ。


「そんじゃ、始めよっか。

 疾風式――《蒼閃!》」


氷風を裂き、碧い閃光が夜を駆けた!


カイルは剣に魔力を溜め、


「《断影剣シャドウクリア》!!」


影を断ち切る光の軌跡が、

雪猿王の脚を縛るように走る。


ヴァルグも吠えた。


「灰牙狼団!!

 奴の動きが止まった今が、全力で仕留める時だ!!」


獣人と人間――

互いに視線を交わし、言葉なく頷いた。


> 共闘が始まった


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ