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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第二章 氷冠の再誓(ひょうかんのさいせい)

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雪中の休息 ― 炎と氷のはざまで

氷竜アズラリオンとの邂逅から数時間後。

一行はドワーフの街〈グラン・ノルデン〉に戻っていた。


工房では、職人たちが

青紅の鉱石〈フレアライト〉を炉へ投じ続けている。


セリオは焚き火の前で膝を抱え、ガタガタ震えていた。


「ひ、ひぃぃ……氷竜さんの冷気がまだ残ってますぅ……

 僕もう氷漬けのハムですよぉ……!うぅぅ……加護があっても指先は寒いんですよぉ……!」



「情けない声出さないで下さい。」

クラリスが苦笑しながら

自分のマントをふわりと肩にかける。


「少しは落ち着きましたか?」


「心は落ち着いても体が震えてるんですぅぅ!」


対照的に、アリアは大興奮で周囲を観察中。


「わぁ……フレアライトの魔力が

 炎と水で二層構造になってる……!

 これ、普通に爆発物ですよね!?」


「爆発!?」


セリオが更に震えた。


「安心しろ。」ノエル(=レオン)が淡く笑う。

「暴走する前に職人たちが形にしてくれる。」


「それが怖いんですよぉぉぉ!」



---


〈グラン・ノルデン〉鍛冶王ブルグレンの〈火心炉〉。

溶鉱が流れ、炉の炎が唸りを上げる。


長き鍛造の末――

ごうっ、と赤青の光を放って一本の剣が姿を現した。


「できたぞ旅の剣士!」

ブルグレンが誇らしげに掲げる。


> “焔氷剣えんぴょうけんフレイムグレイス”!


赤き炎と蒼き氷が刃の中央で揺らめき、

相反する属性がかすかに共鳴していた。


ブルグレンは豪快に笑う。


「炎と氷は本来、喧嘩する属性だ。

 だがな、お前さんの剣筋を見て閃いたんだ!」


拳で胸を叩く。


「―“正と反の均衡”!

 その背中はどちらの光も背負うのにふさわしい!」


レオンは静かに剣を受け取り、

その重さと温度を確かめる。


熱い。だが、同時に冷たい。


「……未完成だな。」


ブルグレンはにやりと笑った。


「察しがいい。

 まだ炉の火だけでは足りねぇんだ。」


彼はレオンの目をまっすぐ見た。


「この剣は、お前さん自身と一緒でな。

 “まだ目覚めていねぇ”。

 完全な力を得るには――


> “覚醒の核” を手に入れること。




 それが最後の鍵だ。」


クラリスが隣で小さく息を呑む。


「それは……どこのものですの?」


ブルグレンは火の粉を払いながら答えた。


「はっきりとは分からん。

 だが、氷竜アズラリオンなら何か知っているだろうさ。」


レオンは微笑む。


「ちょうど北へ向かうところだ。」


「ならば話は早い!」

ブルグレンが豪快にレオンの肩を叩く。


「その剣は――

 本当の姿を見せるのを楽しみにしとけ!」


レオンは刃を静かに鞘へ納めた。


これはまだ“序章の剣”。

真の名は――これから刻まれる。


続いてクラリスへ、細身の長剣が差し出される。

>「こっちは“月氷のルナ・グレイシア”。

夜の戦いや、素早い連撃に向いとる!」




クラリスは美しく刃を構え

ひと振りだけし、礼をする。


「見事な業です。大切に使います。」


ブルグレンは照れくさそうに鼻を鳴らした。


「お前さんら、ただ者じゃねぇなぁ。

 王国随一の鍛冶場が、久々に本気を出したぜ。」




---


アリアは鑑定しながら目を輝かせた。


「すごい……封印術式と属性共鳴が

 完全に同期してる……!

 古代でも相当上位の技術よ!」


セリオは遠巻きに見ながら叫ぶ。


「やっぱり爆発する気しかしないぃぃぃ!」


「黙って守られていなさい。」

クラリスが頭を撫でるように言う。


「ひぃっ……守られるのは嬉しいんですけど

 胃がキリキリするぅ……!」





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