氷冠の盟約
氷と炎がぶつかり合った戦場に、
静かに雪が舞い落ち始めた。
氷竜アズラリオンはゆっくりと頭を上げ、
深い轟きを大地に響かせる。
> 『見事だ。不死王レオン。 汝が今も“光”を掲げる者と証明した。』
レオンは剣を収めて問う。
「……なぜ俺を試した?」
> 『数百年前―― 汝は“悪魔王”を討ち滅ぼし、 その代償として“不死”を背負った。』
アリアとセリオが驚愕して顔を見合わせる。
「不死……代償……!?」
レオンは静かに視線を伏せる。
アズラリオンは目を細めた。
> 『悪魔王を倒してもなお、その背後に潜む“影の根源”は息を潜め続けている。』
レオンは再び顔を上げる。
「知っている。だから俺は――今も戦い続けている。」
クラリスはその言葉を黙って支えるようにそっと寄り添う。
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氷竜が翼を大きく広げ、雪煙が舞う。
> 『かつて余は、汝と―― 英雄セリア、賢女モルガーナ、弓聖リュミエールと共に “氷の門”を封じた。』
> 『だが封印は、今まさに軋み始めている。』
「“影核”が動いているということか。」
> 『その通りだ。 汝ならばこれを止められると信じている。』
レオンの瞳に、強い意志が宿る。
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> 『ならば授けよう―― “竜氷の加護ドラグ・グラシエル”。』
蒼き氷光が仲間全員の身体を包み込む。
手の甲に、氷紋が浮かび上がった。
「ひゃぁぁ……冷たいぃ……けど…… なんか落ち着きますぅ……!」(セリオ)
アズラリオンが喉を鳴らす。
> 『恐怖すら凍てつかせ、守りに変える力だ。 水の精霊との相性も良かろう。』
「アクエラさんが……心を支えてくれてる……!」(セリオ)
アリアは自身の氷紋を光らせ、鑑定を発動した。
「【鑑定】――『竜氷の加護ドラグ・グラシエル』」
蒼い魔法陣が雪上に投影される。
> ●瘴気・精神侵蝕に自動防壁
●氷属性耐性の大幅上昇
●炎属性との共鳴補助(干渉を抑制)
●戦意高揚時、集中・反応向上
●恐怖心の制御補助(精神均衡維持)
アリアは息を呑んだ。
「……これは、“闇に飲まれないため”の力!」
クラリスの紋章が星光のように輝く。
> 『汝の刃に“光と氷”が宿る。 影を砕き、浄化せよ。』
レオンは剣を胸に掲げた。
「氷竜アズラリオン。
再び共に戦ってくれるか。」
> 『余の力、惜しみなく貸そう。 世界が闇に飲まれぬために。』
アズラリオンは黒く輝く結晶を爪で持ち上げた。
> 『虚界への鍵――“影王の核片”。
影の根を断つにはこれが必要だ。』
アリアはそれを見て、顔を強張らせる。
「虚界……真なる闇の源泉……!」
アズラリオンは天を仰ぎ、轟然と告げた。
> 『北へ向かえ。 虚界の門に通ずる “氷鎖の峡谷”へ。』
レオンは強く頷いた。
「必ず行く。
――二度と、闇に奪わせはしない。」
巻き上がる吹雪の中、
氷冠の王と不死王――
数百年越しの盟約が結ばれた。




