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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第一章 英雄の血脈 ― 光と影の再会

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国家の危機、宰相の采配


杖の一打で静まり返った大広間。

宰相オルヴィンはゆるやかに席を立ち、重鎮たちを冷徹な眼差しで見渡した。

「――諸卿。

 アークライト令嬢の件は、もはや一貴族の不祥事ではない。

 民の心を支える“象徴”が奪われたのだ。

 このままでは、繁栄国家の威信が地に落ちる。」

その言葉に誰もが息を呑む。

だがオルヴィンは間を置かず、具体的な布令を矢継ぎ早に告げた。

王都三重防衛の布告

 「王都の門、広場、主要街路に兵を配置せよ。商人たちには一時的な制限を課すが、民心を守ることが最優先だ。」



影晶の調査隊の結成

 「学匠卿フェルディナンド。お前に王立魔導師団を預ける。即刻、影晶の性質を解析せよ。報告は私のもとへ直接上げること。」



辺境支援の約定

 「ダリオス辺境伯。貴殿の領地に追加兵糧を送る。ただし代わりに、辺境軍の精鋭を百騎、王都防衛に差し出せ。」



商業の安定化

 「リカルド・ローズマイン。市場を混乱させるな。兵糧と生活必需品の流通を維持する責任を負え。必要な補助金は王庫から出す。」



一人ひとりに具体的な役割を割り振られると、円卓の貴族たちは顔を曇らせつつも黙らざるを得なかった。

「我が言葉は、王の意志と同義である。」

オルヴィンは厳然と言い放つ。

「この危機を越えねば、王国は影に呑まれる。……諸卿、異論はあるまい。」

大広間は静寂に包まれる。

派閥の火種は消えてはいない。だがその時だけは、誰もがオルヴィンの采配を受け入れるしかなかった。

円卓の端に座るセオドリック・アークライトが低く呟いた。

「……さすがだな、宰相殿。

 だが――必ず、娘を取り戻してもらう。」

オルヴィンの瞳がわずかに細まる。

「約束しよう、アークライト卿。

 英雄の血を失えば、この国は二度と立ち上がれぬ。

 ――必ずや、影から奪い返す。」

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