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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第二章 氷冠の再誓(ひょうかんのさいせい)

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鍛炉の国〈グラン・ノルデン〉 ― 鑑定士の発見と清浄の炎

雪山を越え、白霧を抜けた先。

岩山をくり抜いた巨大な都市が現れた。

無数の煙突が立ち並び、青い炎が夜空を染める。

――そこが、鍛炉の国〈グラン・ノルデン〉。

ドワーフたちが住まう、鉄と炎の王国だった。


「すごい……っ! 鉱炉がこんなに整然と……!」

アリアの目が輝く。

熱気の中で輝く金属の光、鉄を叩く音が山々に響いていた。


クラリスがマントを整えながら言う。

「まるで地の鼓動が聞こえるようですね。」


ノエル(=レオン)は静かに頷く。

「この地は古代から“神鍛の国”と呼ばれていた。

 瘴気が北へ流れ始めている今、ここでの備えが要だ。」



---


◆ 王都鍛冶殿〈火心炉〉


黒鉄の鎧をまとった老ドワーフが迎えた。

白髭を編み込み、片眼鏡の奥で鋭く光る瞳。

鍛冶長――グラント・バルニス。


「ほう……おまえがまた剣を携えてここに来るとはな。」

「今はただの旅人だ。」

ノエルの声に、グラントは鼻を鳴らす。

「旅人が背負う剣にしては……重すぎるな。」


アリアが進み出る。

「鍛冶長さん。これを見ていただけますか?」

彼女は手に持った小瓶を掲げた。

中には黒い霧のようなもの――“瘴気の結晶”。

聖樹の森で採取したものだった。


グラントは眉をひそめる。

「……こいつぁ、ただの穢れじゃねぇ。

 鉱脈に混ざれば、金属を腐らせる。」


アリアの瞳が金色に光る。

「――鑑定開始。」

手のひらに紋章が浮かび、黒霧を解析する光が走る。


「……やはり。“影核”由来の魔素反応。

 通常の魔力では分解できないけれど……

 熱量波長を上げれば、浄化可能な領域が存在するわ。」


ノエルが問う。

「つまり、焼けるということか?」

「はい。でも普通の炎では駄目です。

 “生命波長”を帯びた炎――

 古い文献にある“清浄のセラ・フレア”が鍵です。」


クラリスが眉を上げる。

「その炎……どうすれば得られるのですか?」


アリアは小瓶を掲げながら言う。

「ドワーフの“精霊鉱”――炎精鉱フレアライト

 それを媒介に魔力を流せば、聖樹の加護と同調し、

 “清浄の炎”が生み出せるはずです。」


グラントが腕を組んで唸った。

「……フレアライト、か。あれは地の底の“竜の炉”でしか採れねぇ。

 だが……丁度、南坑で微かに反応を感じていたところだ。」


ノエルは静かに頷いた。

「採掘は我々が行おう。」

「ほぅ……いいだろう。だが気をつけろ。

 その坑道には、“炎喰い”の魔獣が巣を作っている。

 火そのものを糧にする、瘴気に堕ちた魔物だ。」


クラリスが剣に手をかける。

「なるほど。炎の鍵を取るには、炎を喰らう敵を討てと。」

「皮肉だが、悪くない話だな。」ノエルが微笑む。


セリオが慌てて手を挙げる。

「ま、待ってください! そ、その“炎喰い”って……燃えないんですか!?」

アリアがにこりと笑う。

「燃えない代わりに、“怯える者の心”を嗅ぎ分けるそうですよ。」

「えっ!? そ、それって僕が一番狙われるパターンじゃないですかぁぁぁ!?」


クラリスが穏やかに微笑む。

「大丈夫ですよ、セリオさん。怖ければ、私の後ろに。」

「……心強いけど、なんか情けないぃぃ!!」


ノエルが軽く剣を構える。

「行こう。――清浄の炎を、我らの剣に宿すために。」


いつもありがとうございます今日はちょっと早めに更新しました。あともう一回更新します。

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