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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第一章 英雄の血脈 ― 光と影の再会

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円卓に落ちる影

申し訳ありません。このエピソードを飛ばして何話かアップしてしまいました。この後の6話くらいを順番を正しくするため一旦削除しました。よろしくお願いします。

王城・円卓の間。

夜半の戦闘で王都を襲ったワイバーン群は撃退され、防御結界も健在――

だが、集まった重鎮たちの顔は決して安堵で終わってはいなかった。


玉座の前に立つ宰相オルヴィンが、杖で床を叩く。

「――諸卿。王都は守られた。だが、教団の狙いが“魔物を放つこと”だけだと思うか?」


沈黙。

セオドリック・アークライトが重々しく口を開いた。

「我が娘イリスを攫ったのも、魔物をけしかけたのも……一つの線で繋がっているはずだ。  英雄の血筋を奪うこと、それ自体が狙いではあるまい。」


フェルディナンド卿が前に進み出る。

「はい、殿下。結晶の解析からも明らかになりました。  影晶は“生きている”……まるで、儀式の触媒のように。」

彼の声は高ぶり、興奮すら帯びていた。

「つまりイリス嬢は“供物”として攫われた可能性が高いのです。  血筋を汚すためではなく――影晶と結びつけ、王都そのものを覆う儀式の一環として!」


議場にどよめきが走る。


巫女長リシェルは祈るように目を閉じ、声を震わせる。

「……もしそれが真であれば、民は光を失います。  英雄の血を影に堕とせば、この国の心は……」


オルヴィンは深く頷き、視線を鋭く巡らせる。

「問題はもう一つ。――奴らがどこで儀式を行おうとしているか、だ。」


ここでローズマイン家のリカルドが皮肉を込めた笑みを浮かべる。

「辺境の山岳ではないか?  魔の気が濃い地は、奴らの“隠れ蓑”にうってつけだ。」


その言葉に、ダリオス辺境伯が椅子を鳴らして立ち上がる。

「馬鹿を言うな!  我が領で教団がのさばっているだと? あり得ん!」

だが彼の怒声には、どこか焦りが混じっていた。


フェルディナンドが冷静に告げる。

「……あり得ない、ではなく“あり得る”。  事実、辺境経由でしか入らぬ魔晶石が最近、影晶に汚染されて出回っている。  偶然だと考える方が無理でしょう。」


円卓は重苦しい沈黙に沈む。

オルヴィンが低く締めくくった。

「――ダリオス卿。潔白を証明したければ、自ら辺境軍を率いて儀式の痕跡を探し出すがよい。  王都も、もはや手をこまねいてはいられぬ。」


ダリオスは顔を真紅に染め、拳を握りしめたまま席に戻った。

しかしその瞳の奥には、苛立ちと焦燥――そして“何かを隠している影”が、はっきりと宿っていた。



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