アルヴィス王国と王都アルシオン
かつて悪魔王の影を退け、光を取り戻した地に築かれた国――
その名はアルヴィス王国。
幾世代にもわたり平穏と繁栄を紡ぎ、今や大陸にその名を響かせる光の国家である。
国を治めるは不老不死の王、レオン・アルヴィス。
だが民の間では「若き王」として語られ、その永遠の時を知る者はごく一握りに過ぎない。
その中心に広がる都――王都アルシオン。
人口は数十万に及び、大陸でも有数の規模と華やかさを誇る。
中央区には、白亜の石で築かれた王城と、大聖堂が空を突くように聳え立つ。
その姿は国の威光を象徴し、訪れる旅人に畏敬を抱かせる。
北区には騎士団の駐屯地があり、整然と並ぶ兵舎と訓練場からは、剣戟と号令の音が絶えない。
南区は交易の拠点。市場には大陸各地の品々が溢れ、香辛料や宝飾品が民の目を楽しませる。
昼は活気、夜は灯火の川となり、旅人を惹きつけてやまない。
東区には魔術師団の塔と学院が聳え、知識を求める者たちが日夜研鑽を積んでいる。
空に浮かぶ防御結界は、王都を守るもう一つの盾である。
西区には平民の居住区が広がり、子どもたちの笑い声や、露店の呼び込みが絶えず響く。
そこには王国の“日常の温もり”が息づいている。
芸術、魔導、交易――三拍子そろった文化が芽吹く都。
その繁栄はまさしく「光り輝く王国」の名にふさわしく、人々は自らの国を誇りとし、王を敬愛していた。
だが――その光が強く輝けば輝くほど、影もまた濃くなる。
誰もが幸福を謳歌するこの都の片隅で、密かに動く者たちの姿があった。
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