反撃の号令 ― 王国式《影狩り陣形》」
〈帝国南領・赤土前線〉
虚界兵と“影の執行者”エンクレイブが迫り、帝国軍は防御を崩されかけていた。
アリアは深く息を吸い、瞳に金光を灯す。
「――鑑定、展開。」
空に広がる霧の魔力構造が解析され、
影の内側に流れる“黒い血潮”が露わになる。
アリアは言葉を紡いだ。
「……やっぱり。
この影、普通の炎じゃ消えない。
むしろ炎を“養分”にして再生してる……!」
帝国兵
「なっ……!?」
アリアはさらに続ける。
「でも――ここに“決定的な弱点”があるわ。」
彼女の視線は、
レオンの剣と、クラリス・イリナ・カイルの新武具へ向けられる。
「あなたたちの武器に宿っている“生命波長”。
清浄の炎――
これは“影”を焼く唯一の炎。」
クラリスは剣を静かに持ち上げた。 その刃に青白い光が宿る。
「旦那様から授かった氷と光の調律……
つまり、私の剣は“影を裁く焔”を宿しているということですわね。」
アリアは強く頷く。
「ただし――“燃やすだけじゃ倒れない”。
核は背骨。
首の根元から、脊椎に沿って清浄の炎で焼き切ること。
それで初めて“再生が止まる”。」
イリナは星槍を肩に担ぎ、目を輝かせる。
「つまり~? 背中ブッ刺→炎で焼き切りフィニッシュ
……ってことだね!」
カイル
「表現は雑ですが正しいですね……!」
セリオは震えながらも言う。
「さっき……見えてました……
あいつらの背中……黒い線みたいに……
“切ってください”って書いてました……!」
(※書いてはいない)
アリア
「セリオくんの“予兆視”とも一致。
間違いないわ。」
帝国軍は言葉を失う。
---
レオンは静かに前へ進み、剣に手を添えた。
その声音は戦場に落ち着きを取り戻させる。
「――全員、聞け。」
帝国兵の混乱の中で、ただその声だけが響く。
「影は炎で燃えない。
だが“魂を持つ炎”なら斬れる。」
クラリスが一歩前へ。
「背骨を断ち、炎で浄化――承知いたしましたわ。」
イリナはニヤッと笑う。
「よっしゃ! 背中コンテスト、始めよっ!」
「クラリスとイリナ――先陣で虚界兵の背を取れ。
アリアは氷と循環魔術で後方支援。
セリオは全体の魔力流路の補助。」
アリア
「了解。」
セリオ
「ぁぅ……ボク……がんばりますぅ……!」
レオンが帝国軍へ視線を向ける。
「あなた方は一時後退し、弓と支援魔導だけ続けろ。
前に出る必要はない。」
ドランヴァル少将
「なっ……貴様らだけで前線に立つと!?」
レオン
「違う。」
レオンは剣を抜いた。
蒼白の炎が刃に宿り、雪のように揺らめいた。
「――俺たちが前線そのものになる。」
氷竜アズラリオンの紋章が蒼く輝く。
「影狩りを開始する。」
---
イリナ
「星槍ッ――流星突進ッ!!」
槍が尾を引きながら虚界兵の背を貫き、
セラ・フレアが内側から燃え広がる。
クラリス
「氷華裁断ッ!!」
氷と炎の混合刃が背骨を斬り裂き、影が霧散する。
虚界兵
「ギ……ア……ァ……」
影の執行者エンクレイブが咆哮する。
> 『――人間が。
“王の焔”を持つなど、許されぬ。』
レオンはその正面に立ち、剣を構える。
「許しは求めていない。」
「俺は、断つためにここにいる。」
いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、氷華と星槍 ― 側背同時断ち




