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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第三章

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影は炎を喰う ― 予兆は、いつも正しい

〈帝国南領・赤土前線 夜明け前〉


夜の闇が、まだ地上に残ったまま。

だが空はかすかに赤く焼け始めている――炎の大地が近い証だった。


セリオは両手で耳を押さえて、震えていた。


「や……やめて……

 聞こえる……聞こえるんです……

 “焼かれる声”……

 そして……笑ってる声……」


アリアが眉を寄せる。 「……セリオの“精霊感応”が、もう予兆を越えてる。

 影が“戦場になる未来”を見せているのよ。」


クラリスはレオンの隣で剣に手を添えた。


「旦那様、切迫しているようですね。」


イリナは肩を回しながら、気楽に言う。


「んじゃ、来るなら来るって言ってくれればいいのにね~。

 待ち伏せとか影のくせに性格悪~い。」


セリオ、涙目のまま叫ぶ。


「そ、そういう軽口言ってると死にますぅぅ!!

 ほんとに!! ほんとに来ますからぁぁ!!!」



---


帝国軍、灼炎掃射陣形 展開

前線の大地が揺れる。


魔導砲台バルク・キャノンが十数台、

巨大魔導甲冑マギア・ウォーカーが隊列を組む。


指揮官・ドランヴァル少将が号令を放つ。


「――前線、灼炎掃射準備!!  点火・魔力炉心展開!!」


兵士たちが魔導装置に魔力を流し込む。


ゴオオオオオオオ――ッ!!


赤い魔力が砲口に凝縮し、

まるで“太陽を撃ち出す”かのような熱が溢れた。


ドランヴァル少将(自信に満ちて)

「影獣など、兵器の前では塵に等しい。

 王国の剣士は見ているがいい。」


イリナ

「ハイハイ、勝手にどうぞ~~~(棒)」


クラリス

「……(にこり)負けたときに言い訳できないように言質は取りましたわ。」



---



黒い霧が地平から湧き上がる。


アリア、即座に解析。


「……影濃度、異常値。

 虚界汚染、確定。

 魔族が“門をこじ開けてる”。」


セリオ、叫ぶ。


「まだ本体来てません!!

 来てるのは“爪”だけ!!!」



---


「――撃て!!」


轟音。

炎の奔流。

地平が赤く焼き潰される。


視界すら白く飛ぶほどの灼熱。


兵士

「やったぞ!消し飛んだ!」


「勝った――」


アリア(目を細める)

「いいえ……違う。」



炎の霧が晴れていく。

そこに立っていたのは――

炎を喰っている黒い影。


黒炎を纏う、人型の“深淵の巨兵”。


《影の執行者エンクレイブ


> 『……食事は、終わらない。

 もっと持ってこい。もっと燃やせ。

 その火――甘い。』




炎を燃料にして再生する存在。


セリオ、膝から崩れ落ちる。


「き……来た……

 あれ、倒せないやつです……!!!」



---


虚界兵シャドウ・レギオン 10体 追加出現


黒い霧から、複数の影が姿を現す。


兵士

「なっ……数が増えてる!?

 焼いたはずだろ!!?」


アリア

「再生……炎はむしろ“回復源”になっているの。――逆属性だったのよ。」


クラリス

「つまり……」


レオン

「この戦術は通用しない。」



---



虚界兵が兵士を一撃で吹き飛ばす。


マギア・ウォーカーの外装が裂ける。


そのたびに黒い霧が傷から流れ込み、兵器の内側に侵食する。


ドランヴァル少将「馬鹿な……!この出力の灼炎が……通らない……?」


イリナ

「そりゃ言ったよね?

 “影って殴っても死なないタイプだよね~?”って!」


クラリス

「後方で“視察”していろ、でしたわよね?」


イリナ

「ね~~~~?(にっこにこ)」




---


熱風の中。影の咆哮の中。レオンは一歩だけ前に出た。その表情は――静かな怒り。


「……セリオ。」


セリオ

「は、はいぃ……!」


「まだ“本体”は来ていないな。」


セリオ

「……はい。

 あれは……ただの“影の影”です……。」


レオン

「ならば――

 まだ間に合う。」


クラリス、即座に横へ。


イリナ、槍を回す。


アリア、魔法陣準備。


セリオ、小刻みに震えつつ……目が澄む。



次回、「反撃の号令 ― 王国式《影狩り陣形》」

帝国の炎は通じなかった。影は燃やすほど強くなる。

レオン一行は“影を断つための刃”を持っている。

次は、クラリス vs イリナの護衛競争戦線

影の執行者との初交戦です。

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