紅蓮の道 ― 炎帝の国へ
帝国領境 ― 赤鉄の関所
一行の前に、巨大な城門が立ちはだかった。
赤鉄で造られた門壁は山のように高く、
無数の帝国旗が烈風に翻っている。
「ここが……帝国の南門〈ヴァーミリオン・ゲート〉か。」
レオンは足を止め、門上の監視塔を見上げた。
塔には魔導砲と装甲兵、空には浮遊船が漂っている。
セリオ:「う、うわぁ……この防御力、戦争できそうですぅ!」
アリア:「帝国の規模が桁違いなのよ。
――まるで、国そのものが“軍隊”ね。」
城門前では荷馬車の列ができていた。
商人、旅人、傭兵……様々な者たちが検問を受けている。
クラリスが通行証を取り出す。
「旦那様、ライゼン卿の印章で通過は可能なはずです。」
「助かる。……では、少し様子を見よう。」
イリナが鼻を鳴らす。
「スッゴイ国だねぇ。全部が機械みたい。
なんか“生きてる”ってより“動いてる”って感じ。」
クラリス:「表現が独特ですわね……でも、的を射ています。」
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門内 ― 帝国都市圏
通行を終え、一行は帝国領に足を踏み入れた。
そこに広がっていたのは、
王国とはまるで違う“鋼と炎の文明”だった。
巨大な歯車を回す風塔、
浮遊する輸送台車、
空を行き交う飛翔艇。
アリアが息をのむ。
「魔導工学の発展が……ここまでとは。」
セリオ:「ボクの頭じゃ理解できませんぅ……!!」
イリナ:「わー、空飛ぶ鍋とかあるんじゃない!?」
クラリス:「あれは輸送艇です。料理道具ではありません。」
「いーじゃん、夢があって!」
レオンは街の光景を静かに見渡した。
「……この国は、力と秩序で動いている。
同時に、“影”も深い。」
彼の視線の先――
黒煙を上げる遠方の火山群、その麓には赤い結界の光が走っていた。
アリア:「……見えますか? あの光。
“封印層”の異常……もう、始まってます。」
レオン:「炎の聖樹イグニア。
我々が行くべき場所だな。」
クラリス:「ですが、帝国領の奥地。
正式な許可なく進むのは危険です。」
イリナ:「なーに、やるしかないっしょ!
だって聖樹が呼んでるんだもん!」
セリオ:「ボク、呼ばれてないですぅ!!!」
レオンは微笑しながら言った。
「では、行こう。“紅蓮の地”へ。」
一行は再び歩き出す。
熱砂を越え、
火の息吹が吹き荒れる帝国の中心――
“紅の心臓〈ヴァルハイド〉”へ向かって。
その道の果てで待つのは、
燃え盛る炎の聖樹――そして、
闇を焦がす“影の真なる根”。




