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不死王レオンとアルヴィス王国物語  作者: スガヒロ
第三章

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ブルーリヴァー奪還戦 ― 光の試練

〈帝国東領・ブルーリヴァー峡谷〉

夜明けの霧が、血と瘴気で染まり始めていた。

帝国軍前線部隊二百名、ルミナ・プロト装備を起動。

胸元の青白い光が一斉に輝き、谷全体を淡く照らす。


レオニード副隊長の号令が響く。

「――前進! 虚界兵を殲滅せよ!!」


鼓動のように光が脈打つ。

ルミナ・プロトの発光に呼応して、地面に“影の裂け目”が口を開けた。

黒い霧が噴き出し、十体の“虚界兵シャドウ・ソルジャー”が姿を現す。


彼らは人の形をしているが、瞳もなく、全身を黒氷で覆っていた。

その体から滲み出る瘴気は、まるで生き物のように周囲を喰らっていく。


> 『……光を……滅せ……』





---

― “光障壁展開!”


リスティア:「ミュリオさん! 干渉場、起動します!」

ミュリオ:「了解っ! ルミナ・プロト展開――“輝環グロウ・リング”発動!!」


帝国軍の陣形を囲むように、青白い光の輪が浮かび上がる。

影の瘴気が触れた瞬間、ジュウゥッと音を立てて蒸発した。


ティル=アクエラ:「効いてます……! この光、影を拒絶してます!」

ヴェイル:「よっしゃ、今のうちに叩け!!」


帝国兵:「突撃ーー!!!」


槍が閃き、剣が唸る。

ルミナ・プロトの光が兵たちの刃を包み、黒い装甲を貫いた。


影兵が一体、崩れ落ちる――が、すぐに瘴気が再構成を始める。


リスティア:「再生してる!? やっぱり完全には消えません!」

ミュリオ:「プロトの光は“虚界干渉”を遮断するだけで、消滅はできない!

 止めを刺すには……“聖槍”の力が必要です!」



---



ヴェイルが吠える。

「ミュリオ! もう一段階上げろ!」

ミュリオ:「出力上げたら、結晶がオーバーヒートしますぅぅぅ!!」

レイヴン:「構わん、やれ!」


ルミナ・コアが激しく光を放ち、光輪の半径が広がる。

リスティアが前に出て、光を纏った槍を構える。


「リスティア・アークブレイク!!!」

水流のような突きが、影兵の胸を貫き、瘴気を散らす。

ヴェイルの大剣が続き、上半身を両断。

ティルが詠唱を重ね、水の精霊陣を展開。


「――清浄の潮よ、穢れを呑め。《アクア・クラッシュ》!」


轟音。

水の奔流が影兵たちを包み込み、氷の結晶ごと弾き飛ばす。

黒い塵となり、二体が沈黙した。



---



帝国兵A:「ルミナ・プロト、まだ持つぞ!!」

帝国兵B:「怯むな! 聖光は我らの盾だ!!」


彼らの剣が光の軌跡を描き、三体目、四体目が崩れ落ちる。

だが、汗と息が限界を迎え始める。


ミュリオ(焦りながら):「ダメだ、出力が落ちてきてる!

 このままじゃ三分持たないっ!」


リスティア:「レイブン様!」

レイヴン:「ここで退けば、谷は再び闇に飲まれる。

 ――立て、光を握れ!!」


その声に兵たちが再び奮い立つ。

残り六体。



---



ティル=アクエラが懐から取り出した聖槍の欠片が光り始める。

「ルミナ・シールド……どうか、力を……!」


聖なる共鳴音が響き、空気が震える。

欠片の光がルミナ・プロトへ伝わり、全装備が一瞬だけ輝きを増した。


ミュリオ:「きたっ……エネルギー共鳴!

 全ユニット、出力120%に上昇!!」


リスティア:「いきます!!」

ヴェイル:「こっちも派手に行くぜぇぇっ!!」


雷鳴のような衝撃。

光と水の連撃が五体の虚界兵をまとめて飲み込み、影が悲鳴を上げて消滅した。

残り一体。



---


◆ 最後の一体


虚界兵(巨体)は膝をつきながらも、なお剣を構えた。

その黒い瞳がレイヴンに向けられる。


> 『……光は、いずれ……闇に……呑まれる……』




レイヴン:「それでも構わん。闇を恐れぬ光こそ、希望だ。」

ルミナ・シールドを握り、渾身の一撃を放つ。


「――終わりだ。“断影閃ダークスレイ”!!」


白銀の閃光が走り、虚界兵の身体を貫いた。

黒い霧が吹き散り、谷に静寂が戻る。



---



帝国兵:「……勝った……のか……?」

ミュリオ:「な、なんとかっ……間に合いましたねぇ……!

 コアの稼働時間、残り二秒っ!!」

リスティア:「ギリギリでしたね!」

ヴェイル:「あの光、ほんとに命綱だな……。」


ティル=アクエラ:「水の流れが……戻っていく。

 聖樹が、まだ息をしてる……!」


レオニード:「よくやった。これで谷は守られた。」

レイヴン:「いや……まだ終わっていない。」


彼の視線の先――

遠く、谷の最奥で黒い渦がゆっくりと回転を始めていた。


ヴェイル:「……あれ、まさか……」

ミュリオ(青ざめて):「ヴァルドラ……が、来る……!!」


光が揺らめく。

夜明けの光と、闇の嵐が交錯する。


――“最終決戦”は、これからだった。



いつもありがとうございます。また明日更新します。次回、ブルーリヴァー奪還戦2 ― 水守の誓い、決意の光


虚界兵シャドウ・ソルジャーヴェル=オルグの瘴気から生まれた中位戦闘存在。通常兵器では再生し続けるが、ルミナ・プロト装備下では再生を封じられる。

ルミナ・プロト装備の限界稼働時間3分。エネルギー過熱で自壊する寸前。ミュリオは改良型(第2世代)を試作中。

ルミナ・シールドの欠片聖槍の破片。ティル=アクエラの祈りによって一時的にルミナ・プロトを強化。次の“覚醒”の布石。

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