再会の火花 ― 英雄候補、北方に立つ
〈グラン・ノルデン〉王都・火の門
蒼く光る“封剣アークレイ”を携え、
レオン一行は鍛冶王ブルグレンを訪ねた。
「これは……聞きしに勝る力……!
影を喰う剣など、伝説の類いと思っていたわ!」
ブルグレンは目を丸くし、
次の瞬間――
「宴だ!!
英雄には炎と酒で敬意を示すのがノルデン流だァ!!」
工房中のドワーフたちが雄叫びを上げた。
「ウオオオオオ!!!」
「わわっ!?準備が早いです!?」
「僕の財布は守られるんですよね!?」
「飲んどけ。小さなことは忘れるぞ!」
「それが一番怖いんですよ!」
レオンとクラリスは温かい空気に微笑んでいた――。
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街の外壁の方から、重い門の軋む音が響いた。
衛兵の怒号。
〈グラン・ノルデン〉王都・火の門前
吹雪を背負いながら、二つの影が門前に立った。
白いコートの少女は――胸を張り、声高く宣言する。
「入国許可証、提示します!
アルヴィス王国・七星騎士団《星槍アステリア》
イリナ・フェルディア!」
続けて黒髪の青年も許可証を差し出す。
「カイル・ヴァン・ハルド。
イリナ師匠の……同行任務です。」
衛兵たちは驚愕する。
「七星騎士団!?
あの王国直属最強部隊が、なぜこんな北へ!?」
イリナはきっぱりと告げる。
「――王都所属の宮廷画家殿を、護衛・補佐するためです!」
カイルがすかさず補足する。
「その方は王命を帯び、影の異変調査の重要任務中だ。」
衛兵の顔色が変わる。
「王……王命!? それを早く言いなさい!」
イリナは胸中でドヤ顔。(表には出していない…たぶん)
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その時、雪の帳の中から静かな影が歩み出る。
「イリナ、カイル。」
ノエルの声だ。
イリナの瞳が一瞬で潤む。
「ノ、ノエル様ぁぁぁぁ!!
……その、無事で……っ! 本当によかったです!」
すぐ抱きつこうとして――
ギュムッ!
クラリスが笑顔のまま首根っこを掴む。
「イリナさん?
旦那様に
触れていいのは専属従者だけですのよ?」
「ひゃ、ひゃぃっ!すみませんっ!」
カイルがぼそっと呟く。
「(いつバレるんだろう……この正体……)」
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ノエルは真剣に問う。
「七星騎士団が動くとは……
王都はそこまで逼迫しているのか?」
イリナは深く頷き、声を潜める。
「詳細は言えませんが……
“影の異変”、王宮魔導院が正式認定しました。」
「その調査を進める貴方を補佐せよ――
それが私たちの任務です!」
クラリスが一歩前に出て微笑む。
「頼もしい助っ人が増えましたね、旦那様。」
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そこへ鍛冶王ブルグレンが割り込み雄叫び。
「まずは宴だ!!
英雄(とその仲間)には炎と酒と肉だァ!!」
「うおおおおお!!!」
クラリスは涙目で袖を引っ張りながら必死。
「ノエル様ぁ……!
飲み過ぎは本当に本当にお身体に触りますから……!」
ノエルは静かに苦笑する。
――長き旅路に、
頼もしき力と……面倒くさい火花が加わった。




