表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/26

建国するにあたって

「俺も詳しくは聞かされてないんですけど、ネモフィラ嬢の婚約は、父親であるカルム伯爵が、カルム領をカルム国として認める条件の内の一つだったんだと思います」


「……」


「カルム国が出来たら、父は元老院で役職に就くと言ってました──キース様は、エリオット様を探しているのでしょう? あの二人のどちらかだったら、不味いかなと思いまして」


「そうか──そうよね。それにしても、ジェイドはどこまでいってもジェイドよね。もともとのネモフィラ嬢が、どんな性格だったのか知らないけど、私にはジェイドにしか見えないわ」


「ネモフィラ嬢は、普段は奥ゆかしい女性なのですが、学友の内のどちらか一人なんて選べないって思って悩んでたんです。どっちも選べないなんて、俺からしてみたら贅沢な悩みですけどね」


「立ち入ったことを聞くけど、奥ゆかしい女性が、そんな感じで大丈夫なの?」


「あ!!」


「今度は何?」


「思い出しました!!」


「何を?」


 私は嫌な予感がしつつも、ジェイドに聞き返した。今、知らなくてもいいことなのかもしれないが、いずれ聞かなければならない話なのだろう──何となくそう思った。


「この世界観、どっかで聞いたことあると思ったら、従兄妹のノンちゃんから聞いたゲームの内容と一緒です!!」


「もしかして白薔薇の第3シリーズ?」


「違います。ノンちゃんは腐女子だったので、乙女ゲームなんか、やりません」


「まさか……」


「はい。BLゲームです」


 私は、まさかの展開に眩暈がしそうになりつつも、聞き返した。


「えっと、オメガバース設定の?」


「いえ、そんな名前では無かったと思います……」


「どんな内容なの?」


「俺はやってなかったんで、あんま覚えてないんですけど、確か主人公がアーリヤ国の王子で、相手役が騎士と宰相、それから商人と魔術師──だったような? すみません。はっきりとは覚えてないんです」




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ