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領主の屋敷

 私達3人はカルム領にある領主の屋敷へ向かった。ユリウスの話によると以前から何度も招待を受けていたようである。


 街から少し離れた場所にある屋敷は、屋敷と言うより宿屋のような家で、馬車を降りて中へ入ると、ロビーのような吹き抜けのある玄関だった。


「驚かれましたかな?」


「ええ。内装と外装で、随分と雰囲気が変わるのですね」


 出迎えてくれたカルム領の領主は、愛想のいい小太りの男性だった。


「この度のご英断、見事でございました。新しく物事を始めるにあたり、大変なことも多いでしょうが、私どもが誠意を持って全力でお支えしたいと思っております」


「ありがとうございます」


「ええと、その──キース様?」


 カルム伯爵は、私の言葉を不審に思ったのか、怪訝な顔をしていた。


「すまない、陛下は以前の記憶を無くされている。どうやら、カルム伯爵のことも忘れてしまったらしい」


「そんな?! 何てこと──おいたわしい」


「申し訳ありません。何も思い出せないのです」


 出迎えてくれた領主と玄関先で立ち話をしていると、2階にある部屋のドアが、突然開いた。


「キース様!! ユリウス様に、ジーク様も!! お久しぶりです」


「彼女は、カルム領主の一人娘であるネモフィラ様です。私達4人は幼なじみで、幼い頃は集まって、みんなで一緒に遊ぶこともありました。陛下が女性であることも知っているので、身構えなくても大丈夫ですよ」


 護衛騎士のユリウスが、私の側へ来て耳打ちしてくれる。


「キース様、私が生み出した刺繍の新しい技術をご覧ください。お部屋まで、見に来てくださいませ」


「すまない、ちょっと行ってくる」


 どこまで男性の振りをすれば良いのか、判断に迷いながらも、私は男性らしく振る舞った。


「どうぞ、ごゆっくり」


 2人は眉根を寄せて少し困った様な顔をしていたが、笑って送り出してくれた。


(私が話から抜けるのが、何か問題なの? でも、何も分からないし……)


 


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