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自然爆発

 厩で馬に乗ると、ユリウスと一緒に鍾乳魔石のある洞窟へ向かった。向かう途中、近衛騎士が達が、ついて来たのに気がついて、私とユリウスは立ち止まった。


「お前達……」


「陛下、お供します」


「駄目だ。城へ帰れ!!」


「総員前へ!! 陛下をお守りしろ!!」


 騎士団長の指示に、近衛騎士達は私達を取り囲むように馬を走らせた。統率のとれた指揮に、私は舌を巻いた。


「全く、もう──どうなっても、知らないから」


「陛下、間もなく到着します」


 ユリウスの言葉に顔を上げると、目の前に屋敷が迫っていた。私達が馬から降りて洞窟へ向かおうとすると、エドガーが上空から現れた。


「待て。勝手なことはさせない」


「やはり、貴方だったのですね。私は信じていました──残念です。世界を滅ぼすつもりですか」


「私たち魔族は、この世界で生き続けることは不可能だ。ただ黙って絶滅してしまうのを悲観しながら生き続けるよりは、共に滅んだ方が、この世界にとって、よりいいだろう」


「だからって、周りの人達まで巻き込むのは……」


「以前に来た時に、洞窟内に鍾乳魔石があるのは見たか?」


「え、ええ。まあ……」


「あれから色々調べてみたのだが、あの魔石は、あと50年もすれば、自然爆発を起こすだろう。空間が歪んでいたのは、亜空間を作った事が原因ではなかったんだ。あの鍾乳魔石と同じ物が、この森にあと幾つあると思う?」


「……」


「この国だけじゃない。世界中に自然発生しているんだ。国の中でも比較的魔素が多いこの森は、魔術師が魔素を使うことによって、均衡が保たれていた。それが、魔素を使う魔術師が減った上に、森の管理が行き届いて無いとは──もう滅ぶしかないんだよ、この世界は」


「例え、そうであっても。魔族が悲観して、勝手に世界を滅ぼしていい──なんてことはありません」


「そうだろうな。お前達に、私達魔族の苦しみなんて分からないんだよ!! ファイアウィンデスト!!」


「インフェルノ!!」




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