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再生

「さよう。この地に巨大な亜空間を造り、森の一部ごと別の空間へ、転移魔法で移したのだ」


「そんな事が──それでは、ここの人達は逃げ延びた後、1000年もの間、ここへ住んでいたのですか?」


「そういうことになるな。亜空間に魔術をかけると、時間が止まっている状態に近くなる。魔術で作った偽物の太陽の代わりとし、転移で移動させた森の恵みから食料を得ていたが、それにも限界があってな。時々、通常空間へ降りて、食料や物資を調達していたんだが、実は亜空間で魔族が住み続けたせいか、亜空間と亜空間ではない空間の間に(ひず)みが出来はじめている」


「歪み?!」


「そこへ魔術を放てば、空間大爆発が起こるだろう。さっきは、冷や冷やしたぞ。インフェルノが亜空間の上空を過った」


「空間大爆発?」


「ああ。空間大爆発が起きれば、人族だけでなく、魔族も危うい。下手をすれば、この世界もろとも吹き飛ぶだろう」


(空間大爆発は、ガンマ爆発みたいなものなのかしら? それにしても、インフェルノって──もしかして、ユリウスが放った魔術のこと? インフェルノにしては、そんなに威力が無かったと思うけど、私が使ってたら、不味かったかもしれないわね)


「それを警告するために、わざわざ私を攫って来たのか?」


「それもあるが──亜空間で暮らし続けるのには、限界があってな。人が住む亜空間に時を止める魔術をかけても、完全に止まる訳ではないんだ。まあ、生き続けるというのは、そういうことらしい。それに、いくら寿命が長くも、ケガをしたりして亡くなってしまう場合もあるからな。だから……」


「だから?」


「一度、亜空間を出て、もう一度、亜空間を造ろうと思っている。それに、協力して欲しい」


 ミランヌ村の村長は椅子から立ちあがると、私に頭を下げたのだった。




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