表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

38/89

明日に向けて

 夕方前には帰って来るはずの兵士達は、夜になっても帰って来なかった。窓の外は既に暗い。


 何も出来ずに、ただジュールを看病をしていたが、彼の顔が次第に青ざめていくのを側で見ているのは忍びなかった。


「帰って来なかったみたいね」


「魔女の仕業でしょうか?」


 ユリウスの言葉に、ジークは腕を組みをしながら考え込んでいた。


「分かったわ。私が汲んでくる」


「「は?」」


「キース様。あなたが行けば、確実に魔女に狙われます。分かっているとは思われますが、城で待機してるのが賢明な判断です」


「そうかもしれない。でも、部下が苦しんでいるのを、ただ黙って見過ごす訳にはいかないわ」


「それなら、私が……」


「ジークは、記憶が戻ってから全属性が使えるようになったと言ってたわね。でも、魔力量は少ないんじゃない?」


 前世で圧倒的な力を持つ魔術師団団長オーベル様の技術や魔力に比べると、今のジークの実力は半分以下だった。


「でも、魔術の知識だけは誰にも負けません」


「知識だけで、魔女に勝てるの?」


「それは……」


「キース様、ジークをあまり苛めないであげてください」


「じゃあ、どうするのよ……」


 私は次第に具合が悪くなっていく様子のジュールを見て、頭を悩ませた。


「キース様、私が一緒に行きます」


「ユリウス……」


「後でこっそり出掛けられても困りますし……」


「私もお供します。魔術を付与していただければ、即戦力くらいにはなるでしょう」


「ジーク、ありがとう」


「出発は明日の朝にするとして、今から作戦を立てましょうか」


「ええ」


 それから私達は、泉に向かうルートや魔女対策について、それぞれの意見を出し合い、話し合って、明日の出発に備えたのだった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ