表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/89

消去法?

 サイモンが消えた日から2週間がたった頃──私とジーク、それからユリウスはネモフィラ嬢の屋敷に集まって、作戦会議を開いていた。


 キースに掛けられた呪いを解くことが出来なければ、再び命の危険にさらされる事にもなる可能性があり、再び周りに被害が及ばないとも限らなかった。それに、魔女が直接攻撃しに来ないとも言いきれない。


「キースだった時に、呪いが解けなかったんだもの。きっと、解呪薬は効かなかったのよね?」


「ええ。魔族の呪いは強烈で、威力は人間の100倍と言われています。人間が作った解呪薬では効きません。魔力量や魔術も、人族とは桁違いです」


 今日は、ユリウスに護衛という名目で部屋の外に立ってもらっていた。ユリウスの前で転生前の話をする訳にいかなかったし、そういう話になった時、話の流れで私がボロを出すかもしれないと思ったのだ。


「やっぱり、ジーク様がオーベル様だったんですね。最初から、そうじゃないかと思ってたんです」


 モネは嬉しそうに笑うと、縦ロールの髪を揺らしていた。


「えーと、その、立ち入った事を聞くようだけれど、ジークはその──前世では、ネモフィラ嬢と……」


「キース様。ジェイド──ではなくて、ネモフィラ嬢とは何もありませんでした。これからも、何もありません」


「えー!! せっかく女性に転生したのに……」


「えー、じゃありません。じゃあ、お聞きしますが、キース様は姿形が変わったからといって、好きでもない人を愛せますか?」


「それは……」


「キース様が、サイモンを好きになれなかったのと同じです。私は好きでもない人と、結婚は出来ません」


「でも、オーベル様──じゃなかった、ジーク様。消去法で考えたら、俺とジーク様が結婚するしか無くないですか?」


 モネは、こちらを見て微笑んでいた。何を言っているのか、さっぱり分からない。


「消去法?」


 ────コン、コン、コン


 その時、私達が話していた応接室の扉をノックする音が聞こえた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ