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招待状

 市場だけではなく、街の観光スポットや近くの村を視察して宿屋で1週間過ごしていたが、街の収穫祭が終わる頃に、ネモフィラ嬢からお茶会の招待状が届いていた。


「陛下もたまには息抜きしてきてください。俺は城の様子を見て来ますので」


 宿屋の1階で夕食をとっていたが、話の流れで明日の話になっていた。ネモフィラ嬢から届いた手紙の内容を思い出した私は、ジークに聞いた。


「ジークは行かないのか?」


「俺は城の建設を手伝ってきます。あと少しで、外装まで終わりそうなんです。そうは言っても、木材や土を運ぶ手伝いくらいしか出来ないんですけどね」


「私も手伝おうか?」


「いいえ、大丈夫です」


「そうか。私が行ったら、やっぱり邪魔だよな」


(やっぱり、カルム領でキースは嫌われ者なのかしら?)


「いえ、そういう意味ではなくて──その、キース様が行ったら、みんな驚いて仕事に手がつかなくなるんですよ。刺繍の良し悪しなんて、分かるのはキース様ぐらいなんですから、キース様はネモフィラ嬢のお相手をしていてください」


「分かった、そうするよ。ちなみに、婚約者はどちらがいいのか、それとなくネモフィラ嬢に聞いてみようか?」


 私が二人に尋ねると、二人とも石化したように、固まっていた。


「へ、陛下!! そういったことは、早まらずに。私達で解決しますので、気にしてはなりません!!」


「いや、でも──どっちかなんでしょう?」


「それも含めて!! 示談中です」


「示談? そうか。それじゃあ、私はネモフィラ嬢のお茶会へ行って来るよ」


 私は二人に就寝の挨拶をして、自室へ戻ったのだった。




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