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本音
「・・・・は?」
聞き間違えだろうか。告白された?
いやいやいや、そんなわけはないだろう。
こんな冴えない僕に、そんなことは。
「君のことが好きっていうか、君の書く文章が凄くいいなって思ってたの。
言葉がわかりやすくて、温かみがあって、優しくて。
でもどこか寂しそうで、ちゃんと人のこと見てる人が書ける描写だなって。
私にはそういうところがないから、羨ましくて。
それで気になって君が書いた作品全部読んだの。
君はいつも学校でつまんなそうな顔してるけど、そんな人が書く文章じゃなかった。
だから気になって、知りたいなって思って。
ずっと見てたの。
この人にわかってほしいって思った。
私のダメなところ、苦しんでるところ、全部私の代わりに言葉にして欲しいと思った。
私の考えてること知って欲しいって思った。
私が君のこと気になってて、勝手に、一方的に好きなったこと、知って欲しいと思った。
それで、私が生きてたこと、考えてたこと、全部言葉に残して欲しいと思った。
受け入れてもらえるとは思ってないけど、今日言うしかないと思った。」