2話 母
暖かさに包まれて、いつまでも寝ていたい気分だが、
そろそろ眠るのにも飽きてきた。
目を開けてみることにしよう。
(おおおおおおお、胸?)
(こ、、、、、、これは、胸???)
「あらあら、お目覚めになった様ですよ」
話し声が聞こえる。。。。
ここは一体、どこだ。
あら???手が小さい????
体がうまく動かない。はがいじめにされているのか????
空中を浮かんでいる?????
ジタバタジタバタ
身体を動かしてみる。
動きはスムーズだが、なんというか、この、リーチが短い感じがする。
目の前には、女性の胸。
どうなっているんだ。。。。。。
訳がわからない。。。。。
頭が真っ白になってきた。。。。。
状況が全く掴めない。。。。。
俺は、学校からの帰り道に歩いていたはずだ。。。。。
なぜ、女性の胸が前にあり、しかも、手足が縮んで、、、、女性の胸元で抱かれている????
「元気な若様でいらっしゃること」
「本当に、元気ですこと。可愛らしい。」
一体、どういうことか、訳がわからないが、手足が縮んで、女性の胸元で抱かれているということは、かろうじでわかってきた。
心地ちが良すぎて、考える気力が湧いてこないので、しばらく、ぐったりしておこう。
「本当に可愛らしい。奇妙丸。」
奇妙丸????誰のことだ。。。
とりあえず、めんどくさいので、ぐったりしておくか。
状況がまだよく掴めていないが、どうやら、赤ん坊並のサイズの身体?、というか、自分が赤ん坊の姿になってしまった事は、何となくわかってきた。
俺は、確か、高校からの帰りに、河川敷をフラフラと歩いていたはず、それから、意識が飛んで、、、
ああ、確か、空から、何かが物凄いスピードで飛んできたっけ。
それをふと見えげたら、そのまま、意識が飛んで、それから、物凄い寒くて暗い時間をずっと過ごしてきたんだっけ。
赤ん坊の姿になって、天国に来たってことかな。
まあ、ロクでもない人生だったし、ツイていなかったけど、最終的には天国に来て、
胸の中で、幸せな気分だぜ。
そのまま、再び眠りに落ちっていった。