1話 奇妙丸
隕石の破片に当たって死んだ おちこぼれ学生
戦国最強の魔王、織田信長の「息子」に転生
偉大な父親の下で、おちこぼれ学生が、数々の無理ゲーに挑みながら、成長して行く物語
俺は死んだ。
何が起こったのかイマイチ分からなかったが、世界が真っ暗になって、ずっと身体が空中を漂っている感じがする。
寒い。。。。。とてつもなく寒い。。。。。
長い長い時間が経った。
どれくらい時間が経ったのかわからなかったが、先に小さな光が見える。
その光のある方向に意識を向けていると、ふと、光が広がってきた。。。。。
「なんじゃ、この奇妙な顔は」
広がってきた光の中から、だんだんと男の顔が浮かび上がってきた。
一体、何を言っているのか、声がかすかにしか聞こえない。
まだ、意識がはっきりしない。
「うんとも、すんとも言わない、奇妙な赤子であるな」
「信長様のお子様ですよ」
「儂の子供とも思えぬ、奇妙な子供じゃのう」
「信長様、どうか、この子に名前を付けて下さいませ」
何やら、ボソボソと、俺の鼻先で話し声が聞こえる。。。。。。
「『奇妙丸』と名付けることにする」
「き、奇妙丸で御座いますか?」
「本当に儂の子とは思えぬ、奇妙な子供じゃからな。 お主たちには、わからぬか 」
だんだんと眠気が強まってきた。
また、目の前が暗くなってきた。
暖かくて、良い気分の中で、意識が再び薄れてきた。