魔道具の仕組み
魔道具。魔道技術体系にて製作される道具の総称。
大別すれば、二種類。
魔術発動媒体と魔術動作媒体である。
魔術発動媒体は、魔術師が利用する器具。呪術儀式に組み込まれた象徴。現代では、魔装とも称される物の一般的イメージに合った魔術用具。
魔術動作媒体は、魔術的に動作する装置。呪術儀式を実行し続ける傀儡。現代では、魔道具として一般的に認識されている魔動装置。
魔術動作媒体は、さらに二種類の方式で区別される。
霊式魔術動作媒体と呪式魔術動作媒体である。
霊式魔術動作媒体は、霊体を仮定して魔術動作を実行させる方式の魔道具だ。高度な魔術理論で製作されたそれは、知性あるモノとして振る舞うこともある無生物の人造生命ともされる。一般に普及した魔道具の正体はこれだ。癒水薬ですら、医療魔術を行使する粘魔種型の人造生命のようなものなのだ。
呪式魔術動作媒体は、信仰を利用した魔道具だ。霊式の場合、仮定霊体は魔力を生成しないので、魔石を動力源としている。対して、呪式は半永久的に魔力を世界から供給される。この供給の仕組みが信仰である。一般に知られる代表例は、聖水である。聖水は、神聖魔術の低位効果のほとんどを発揮する液体だが、その製作工程は教会が秘匿している。しかし、仮定霊体が存在しないことは幾人かの魔道士が研究結果を提出しており、消去法的に呪式であろうとされている。信仰とは即ち総意霊体、大多数の意思の向きである。聖水であれば、『教会が聖水としているのだから、聖水だろう』という認識によって神聖魔術の低位効果が発揮していることになる。これは複数人の魔術師が協力して魔術を発動する共同儀式という手法を、大衆化した魔法と云える。そのため、偶発的に自然発生する物も存在する。呪いの物品は代表的な例であろう。『呪われそうな来歴があるのだから、呪われている』という信仰の産物だ。




